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黒衣聖母 (探偵くらぶ)

黒衣聖母 (探偵くらぶ)

黒衣聖母 (探偵くらぶ)

作家
芥川龍之介
日下三蔵
出版社
光文社
発売日
2021-10-13
ISBN
9784334792329
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黒衣聖母 (探偵くらぶ) / 感想・レビュー

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みやび

短編の名手、芥川龍之介のミステリ風味の感じられる作品集。既読のものもいくつかあるけれど、それらも含めて読み応えがあって面白かった。「報恩記」と「藪の中」は読む度に印象が変わって深い思考に陥いる。どことなく滑稽で楽しめたのは「煙草と悪魔」と「西郷隆盛」。ミステリというより、読み物として物語世界に浸れるのが心地良い。芥川龍之介自身が怪談やシャーロック・ホームズなどが好きで、海外作品は原書で読んでいたというから、それだけで一気に親近感が湧いてくる。良質な読書時間だった。

2023/01/27

たろさ

「探偵くらぶ」シリーズ2冊目だが先に発売された谷崎潤一郎『白昼鬼語』より探偵ものとしてのイメージは全体的に弱い。とはいえ既読も含め短い作品をわかりやすく美しい日本語で読める安心感はさすが。芥川作品では何度読んでも「藪の中」がダントツで好き。

2021/11/05

kinshirinshi

短編の名手、芥川龍之介の作品集。「探偵くらぶ」のシリーズ名から推理ものを期待すると裏切られるが、怪談や奇譚、人の心の闇を描いた作品、読者に解釈を委ねる形の作品など、広義のミステリーに含まれる様々な作品が楽しめる。個人的には、散文的な男女の縁を意外な煌めきに昇華させた「お富の貞操」が一番好きだ。猫好きさんは必読かも😸😸😸。

2022/02/06

Inzaghico

「疑惑」は、読者に解釈を委ねるところは「藪の中」と似ている。こちらは、岐阜の大垣に講演にやってきた倫理学の学者に、講演を聞いた聴衆のひとりが打ち明け話をする、というもの。この来客がしでかしたことの是非をそもそも問う資格がある人間がいるのか、と悩んでしまう。 「魔術」は谷崎の「ハッサン・カンの妖術」の設定が流用されている、とあとがきにあった。道理で既視感が(笑)。

2021/10/26

のほほん

短編が18編です。表紙に「探偵くらぶ」裏表紙に「ミステリ作品集」とあります。芥川龍之介の作品に探偵ものがあったのかと期待山盛りで読み始めました。あれ?既読の作品もちらほらです。どちらかというと「怪奇小説」ぽいです。編者解説によると「心理的なもの」「思索的なもの」を選んだそうです。ということで探偵や刑事は活躍しません。(もしかして勘違いは私だけ?)でも好きな作品が多々ありましたから満足です。「魔術」「西郷隆盛」はもちろん。「三右衛門の罪」は最後の一言がしめます。「疑惑」は自分を追い詰める心の闇が怖いです。

2023/06/23

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