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Blue (光文社文庫)

Blue (光文社文庫)

Blue (光文社文庫)

作家
葉真中顕
出版社
光文社
発売日
2022-02-15
ISBN
9784334793036
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Blue (光文社文庫) / 感想・レビュー

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ゆいまある

やっぱり面白い。そして切なくドラマチック。酸鼻をきわめる一家殺人事件。犯人は引きこもっていたその家の娘と見せかけて、戸籍のない少年が母親に命ぜられるままに行ったものだった。政治家一族の血を引き、警察の捜査が届かない所にいる少年ブルー。やがて彼は自分と同じく虐待された子供を救う為にその親を殺してしまう。セイフティネットから零れる人々を今回もまた実によく捉えてる。このリアリティが葉真中さん。根底には鋼のような怒りがある文体。この人も何かに傷つきながら育ったのではないかな。写真。多分宮古島だと思うんだよなー。

2023/10/08

アッシュ姉

表紙もさることながら、鮮烈なインパクトを残す葉真中さんの長編大作。持ち歩いて読むには手に重く、内容も重たく、ずしりと心に残る。平成の始まりに生まれて、平成の終わりに亡くなったブルーと呼ばれた男の子。時代背景を振り返りつつ、彼の軌跡に思いを馳せながら読んだ。彼を責めることなどできない。奥貫のパートが辛かったと思ったら、『絶叫』の登場人物とのこと。すっかり忘れていたので是非再読したい。

2023/03/09

綾@新潮部

社会派ミステリーって書いてあったので好きなタイプの話だろうなぁと思ってたら、やっぱり好みの話で一気読みだった。児童虐待、貧困、外国人の雇用状況などが殺人事件の捜査において浮き彫りになっていく。「ザ・平成」のように平成時代の話なので懐かしさもところどころにはあったが、全体的には重くて暗い話。ただ、これが小説の中だけの話ではないところ、無戸籍や学校に行ったことのない子供たちの数の多さに驚く。以前よりは支援なども手厚くなっているにしてもそれを知らない人も多いと聞く。この作品からも負の連鎖を感じた。

2022/05/04

ピロ麻呂

無戸籍児ブルーの短い生涯を平成の時代と振り返る社会派ミステリー。ただ単に母親からの愛情が欲しかっただけなのに、数多くの罪を犯したブルーが不憫でならない。

2022/04/22

オヤニラミ

昭和の高度成長で世界有数の先進国となった日本でそのあおりを受けた平成と言う時代のストーリー。物は溢れ便利な世の中とは逆に見えない社会問題、児童虐待・無戸籍児童・外国人技能実習機構と実際にニュースで目にする事件は氷山の一角でその実態を見せられたような衝撃。そんな存在証明のないBlueの哀しい一生で人の命を奪うこともできるほどの心の葛藤と闇が切なく辛すぎる。15年前の事件と多摩ニュータウン殺人事件を見事に解き明かせた藤崎文吾の執念も実り誰が本当に呪縛から解放されたのか?!考えさせられる物語でした。

2022/03/05

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