或るエジプト十字架の謎 (光文社文庫)
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或るエジプト十字架の謎 (光文社文庫) / 感想・レビュー
中原れい
ギリシャが抜けているが、ローマからエジプトまで4編、クイーンにならったタイトルのミステリ集。現代日本で仔細ありげなカメラマンと知人のアメリカ人法医学者が探偵役。3編がきちんとタイトルとなる現物が出てくるうえに、1篇はクイーンの作品では、と話が出てくる念の入れようで、とても楽しい1冊だった。時期や事件の一部もつながりがあり、探偵がきちんと生活している人物なのだという感じがするのも嬉しい(普段何してるか知れな古の探偵も大好きですよ?)宮脇書店これ置いてくれてありがとう、久振り登場だそうなので古いのも読みます。
2023/06/14
ニョンブーチョッパー
★★★☆☆ 端正なたたずまい。不要な部分を削ぎ落とした感じは、少し、米澤穂信『可燃物』と似た印象。もうちょっと物語的に「余白」があったほうが好きかな。ノンブルが資格で囲われていて、ちょっと特別感あり。
2024/03/16
UPMR
久しぶりの南美希風シリーズ。トリックメーカーの印象が強い作家だが実は本家クイーン流のロジックも決して疎かではないことを見せつける一冊。…なのだが、マニア以外に訴求するほどの魅力があるかは怪しい。ロジック重視の作風は序盤が多少平板になるのを覚悟で伏線を丁寧に撒く必要があるが、この作者の妙に回りくどい文章でそれに付き合うのがだるい。一つ一つの推理はしっかりしているから満足感はあるものの、シリーズキャラの魅力が乏しく、連作全体のテーマ性がないからいつもの鼻につくロマンチシズムも機能していない。長編だと化けるか。
2022/06/01
読書と紅茶🥰
名探偵、南美樹風シリーズは初読み。そこそこ登場人物が多いミステリが好きなので「オランダ靴の謎」と「エジプト十字架の謎」がよかった。南美樹風はエラリーのような傲岸不遜さは全くなく、物腰は丁寧で気遣いにもあふれている。しかしどことなくアンニュイな感じもして印象深かった。原典未読でも楽しめます。
2023/03/20
はっか
柄刀版国名シリーズ第一弾。「或るローマ帽子の謎」「或るフランス白粉の謎」「或るオランダ靴の謎」「或るエジプト十字架の謎」の四編。良かったけど、長編で読みたいかも。
2022/05/29
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