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貌(かお)なし

貌(かお)なし

貌(かお)なし

作家
嶋中潤
出版社
光文社
発売日
2015-09-17
ISBN
9784334910549
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貌(かお)なし / 感想・レビュー

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いつでも母さん

今の日本にもいるであろう『無戸籍児』を取り上げた作品。嘘、そんな・・と思いながらページを捲った。自分が当たり前に思っていた『戸籍』が重い。DVの夫の子を産んでその子のために、土下座する母親の姿に同じ母として胸が苦しかった。お役所のなんて情けないことか!ますますややこしくなる制度に結局振り回されるのは弱い立ち位置にいる者なんだろうな。父の過去に辿り着き、自分も同じだったと分かった娘・香が父を想う姿が愛おしいく、父・三浦純一の軌跡の一歩が何にも代えがたい不確かな一歩だった。考えさせられる作品。お薦めです。

2015/10/26

ゆみねこ

嶋中さん、初読み。突然失踪した父の行方を追う娘は、父の過去を追い、その過酷な現実を知ることになる。「無戸籍」、最近マスコミでも取り上げられるようになった問題ですが、何とか困っている人を救えるような社会になったら良いなと思いました。お勧め本です。

2015/11/08

Rin

【図書館】無戸籍。法から、国からあなたは存在しないんですよ、と言われるということ。親が必死にこの子は自分の子ども、大切な家族だと訴えても書類が揃わない等の様々な理由から戸籍を貰えない人たちがいる。今の日本では身分が証明できないと、当たり前のことが当たり前にできない。この国の問題を目の前に突き付けられた気がする。生まれてきた命には何の罪もないのだから、生まれた時点で存在しているのだから。理不尽な理由で戸籍がもらえない、ということがなくなるといい。柔軟に対応出来るようになって欲しいと思わせられる読了感でした。

2016/08/19

ナミのママ

人は生まれながらにして平等ではない、と思っています。自分が持っているものが他人には当たり前ではないこと、自分が持っていないことが普通ではないこと。集団生活の中で、子供は自分で気がついていくのだと思います。それにしても「戸籍」がないというのは想像もできませんでした。制度的な不利(就学、医療)はメディアで見聞きしていたものの、心にこんなに大きな重荷・・かせ・・となり、人は生涯にわたり背負っていかねばならぬとは。衝撃的な内容だったのですが、目まぐるしい視点の変化と、細かい段落が私には読みにくかったです。

2015/12/23

miww

「無戸籍」。数年前ドラマで知るまでこんな事実がある事を全く知らなかった。戸籍がない、その人物はこの世に存在しないという事。戸籍を作って欲しいと懇願する母に役所の職員が言い放った言葉「法の下では息子さんは日本人ではありません」「それじゃあこの子は何なの?」「存在していませんので、お答えのしようがありません」愕然とした。これが法の、国の答えなのだ。突然失踪した父の行方を捜す娘と父の回想、一時も安らぎを感じる事ができなかった半生。あまりにも過酷だった故の娘への愛情に涙が滲む。

2015/11/11

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