KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

世界が赫(あか)に染まる日に

世界が赫(あか)に染まる日に

世界が赫(あか)に染まる日に

作家
櫛木理宇
出版社
光文社
発売日
2016-01-19
ISBN
9784334910747
amazonで購入する

世界が赫(あか)に染まる日に / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

いつでも母さん

表紙と言い、タイトルと言い・・櫛木さん3作目だから、皆さんのレビューをちら見しただけでもドキドキしての読了だった。痛い・切ない、でも駄目だよ・・嗚呼だけど、被害者はどうしたら救われる?文稀は目覚めない方が幸せなのかもと思ったりする自分もいるのだ。この遣る瀬無い気持ちの行き場が無い。祥太の回復だけは救いだったが、櫛木作家の描く『あか』は重いなぁ・・

2016/03/05

utinopoti27

「法で裁けない悪を糺す」あるきっかけで意気投合した二人の中学生・櫂と文桸。ネットで得た情報をもとに、いじめに加担した少年たちに次々と制裁を加えてゆく。正義の名において下される鉄槌は、次第にエスカレートし、そして制御不能な暴走へ・・。本作は凄惨な暴力描写が随所に盛り込まれたノワール作品であり、手垢のついた「私刑は正義か」を問う社会派小説などではない。明確な目的意識で結ばれた二人はやがて袂を分かち、15で死ぬ決意の文桸は、たんなる暴力装置となり果て、ラストの惨劇へとなだれ込む。後味の悪さはイヤミスの真骨頂だ。

2019/09/16

machi☺︎︎゛

従兄妹がいじめにより身体と心にひどい傷を負わされた櫂は、15歳の誕生日に自殺予定のクラスメイト文稀と仲間になり復讐をする計画をたてる。復習本番に備えて他のいじめの加害者を適当に選び練習を重ねるんだけど、再起不能なくらいとことんまでやり倒す。そのやり方がグロすぎて先を読むのが怖くなるくらい。でもそのやり方には単に復讐だけではなく他の者に対する救いや声のない叫びも含まれている気がして文稀の立場になれば辛かった。誰も救われない辛い話だった。

2020/07/11

そのぼん

従兄弟の少年と少女が学校でいじめを通り越したような凄惨な諸々の暴力に巻き込まれた事件が発生し、それを主人公とその友人が復讐しようと計画していき・・・。他の事件の加害者にまで過剰なリンチをするところや、従兄妹の件に関しても報復が強烈すぎるところが気になりましたが少年法や罪を償うことの意味を問いかけるような内容となっていたので、その辺はなかなか興味深かったです。

2016/07/24

タックン

櫛木さん3冊目。メインテーマはいじめを始めとする少年犯罪加害者に対する少年法の甘さと被害者の悲惨さ・泣き寝入りを描いている。その現状の矛盾を2人の少年の義憤という名の制裁を通して問題提起している。2人の少年の制裁は法律的には犯罪ではあるがグロくて嫌悪を覚えながらも清々しさを感じるのはなぜか? ただなあ、ふみきの悲しい生い立ちから派生する自虐めいた思想や表紙の絵の不気味さがサイコパスを思い浮かばせこの小説全体に暗さを覆う。

2016/06/02

感想・レビューをもっと見る