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虫たちの家

虫たちの家

虫たちの家

作家
原田ひ香
出版社
光文社
発売日
2016-06-16
ISBN
9784334910990
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虫たちの家 / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

一作一作と着実に作品のクォリティをあげてきて、作風を確立してます。桜木さんほど優雅ではなく、湊さんほどダークではないのですが、独特なキレ味はインパクトがあります。九州の孤島にあるワケありの女性だけが住むグループホームを舞台に繰り広げられる謎めいた人間模様はアッという間に読む側がひきこまれます。そこに不思議な雰囲気の母娘も住むことになり…。何かと話題になる【リベンジポルノ】を扱った内容で、なかなか女性にはシリアスなテーマですが、ひっそりと隠れ住みながらも自分を見失わない女性達の姿に身が引き締まりました。

2016/07/20

🐾Yoko Omoto🐾

原田作品初読み。ネットに絡む深刻なトラブルによって、居場所も行き場も失った女性たちが集う「虫たちの家」。お互い過去を詮索せず、第三者にも知られぬよう、ひっそりと生活を送る彼女たち。そんな平穏が、一組の母娘の入居によって徐々に崩れていく。何が切っ掛けで自分という人間を世間に認知されてしまうか、事件に結び付けられるか、常に怯えるほどに傷を負った心理描写が本当に重く辛い。ネットで簡単に全てを曝される世の中で、事件の当事者には絶対なりたくないと思わずにいられない物語だ。ミステリ的な仕掛けもあり、とても面白かった。

2016/10/10

いつでも母さん

『一番大切なのは自分の目。他の人は騙せても自分の心は騙せない』これは真実!20代の頃から何度そう自問自答してきただろうーいままた、この作品で立ち止まり自分に問う。そう、生きている限り何度も思うだろうーおっと道が逸れました。さて本作。怖いですね~読後はカバー画も怖かった(汗)私は美鈴じゃないので最後までアゲハ母娘が好きになれなかった。ここまで用意周到に計画して目的を果たすってこの親子はどうなの?怖すぎでしょ。それにしても、【虫たちの家】か・・実際にあったらいいな。そこで救われる女性たちがきっといるはず。

2016/07/18

風眠

女は、女に憎しみをぶつける。全員がそうだとは言わない、でも大体そうなる。憎しみの原因を作ったのが男だとしても、女は女を憎む。そこから派生する歪んだ自己肯定は、時に女を利用する。自分を使って、または娘を使って。それは依存という逃げ場なのかもしれない。自分の不幸を、自分の罪を、正当化するための逃げ場。いざという時、頼りになるのは女同士。でもそこに男が絡むと話が複雑になってしまう事もある。ネットで晒された過去をもつ女達という物語の主軸、そこに絡まる別の憎しみの連鎖。女達の哀しさを私は否定できない。私も女だから。

2016/08/03

あすなろ

アゲハは擬態し、体には弱い毒を持っている。そんな虫たちがいる世の中は、はたから見れば皆、虫には名前があるように思っているが、よく考えれば当然のように世の中には名前なき虫たちは沢山いる。そんなアゲハの生き方を見たり、スクールカースト等の現代の様々なカーストを描いた作品。原田氏の作品に奥様がハマっており、オススメ作品を読了。独特の味がありますね、原田ひ香さん。僕には普段分からない世界のことばかりだったので、ある意味、勉強になった。アゲハには、2度と鳥が近づけない程の弱い毒があるか、なるほどね

2016/12/23

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