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ウェンディのあやまち

ウェンディのあやまち

ウェンディのあやまち

作家
美輪和音
出版社
光文社
発売日
2018-04-19
ISBN
9784334912185
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ウェンディのあやまち / 感想・レビュー

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nobby

アパートに一ヶ月以上置き去りにされた三歳男児は餓死、六歳の姉は意識不明…。冒頭から記される衝撃の事件を追うように、3人の女性エピソードが交互に描かれる。はたして誰が母親なのか、時系列のズレはいかにと推測しながら惹き込まれる展開は大好物!時々、頭の中の整理しながら、なかなか思わせぶりな仕掛けも楽しめる。ただ、児童虐待というテーマ故に嫌悪感たっぷりは否めない…誰かがするはずという傍観者効果には互助が叶いにくい社会背景を憂うばかり…両親が罪悪を全く感じることなく繰り返す幼稚な言い訳には、憤慨そして呆れるばかり…

2018/06/08

🐾Yoko Omoto🐾

同時進行する3つの物語の中で、ネグレクトの末に子供を餓死させた親とは一体どんな人物なのかを追う胸糞悪すぎるイヤミス。世の中の痛ましい事件には、他人が推し量ることが出来ないやむにやまれぬ事情を孕んでいるものもあるだろう。だが、自分が一番可愛い、自分の幸せだけが大事、何事も全て他人のせい、自分の非を自覚できない、そんな人間に一体どんな同情の余地があろうか。親としてという前に人としてどうなのかという、根本的な部分の欠落に慄然とさせられた。ただ一気に読まされはしたものの、三面記事的なノリを越える物語とは思えず。➡

2018/06/26

ででんでん

最初、名前や時間軸に、すっかり惑わされた。つながりがわかってくると、ティンカー・ベルなんて言ってはいけないだろうと思える親の姿に憤りしか生まれてこない。被害者は亡くなった子どもだけではない。何とか生き延びた子どもさえ、何も悪くない自分を責め続けることになる…大人になってからも。彼らのほうが、親たちより哀しいほどに大人だ。本のレビューというより、内容についての怒りしか出てこない。「憑き御寮」に、怨霊でさえ、その怨みに気づいて共感し、理解してくれそうもない人間には何もしないという記述があったのを思い出した…。

2018/05/28

モルク

ネグレクト、虐待、保護責任者遺棄致死ととても重い内容だが、先が知りたくてすらすら読める。そして名前トリックと時間の交差についつい騙される。子供たちが放置されていく過程、シーンはいたたまれない。親が帰ってくることを信じ、待ち続けた子供たちが痛ましい。それに比べ、言い訳をし、勝手な言い分を並べる親たち。そして罪悪感も後悔もなく、自分を被害者という。そんな親のもとに生まれた子供たちが不憫でならない。

2018/06/18

里季

いやはや、何とも胸糞の悪い話だった。だがもとになった話は実際に起こった事件ではないか!なんたることだ!子供が子供を産むとは昔からよく言ったものだがこのように代々まっとうに育ってない親子の連鎖が悲劇を生むのか。途中からあまりのあまりに「ひょえ~~~」と声を上げそうになった。良くも悪くも一気読み。

2018/07/02

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