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平場の月

平場の月

平場の月

作家
朝倉かすみ
出版社
光文社
発売日
2018-12-13
ISBN
9784334912567
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あらすじ

朝霞、新座、志木。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。元男子の青砥も、このへんで育ち、働き、老いぼれていく連中のひとりである。須藤とは、病院の売店で再会した。中学時代にコクって振られた、芯の太い元女子だ。50年生きてきた男と女には、老いた家族や過去もあり、危うくて静かな世界が縷々と流れる。心のすき間を埋めるような感情のうねりを、求めあう熱情を、生きる哀しみを、圧倒的な筆致で描く、大人の恋愛小説。

平場の月 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

「ちょうどよくしあわせなんだ」この言葉がじわじわ沁みてくる。『須藤がいなくなっただけで、世界はこんなにもかわるのだった』そんな相手がいますか?そんな思いをしたことがありますか?自分が須藤だったなら・・自分が青砥だったなら・・何度もそんなことを思った。50代の男女、中学の同級生、思い出もプラスされて再会からの物語。地元の匂いや親問題も静かに共感できる。この先の人生を思う時、隣に居て欲しい、隣にいたい相手がいるだけで「私には毎日がちょうどよく幸せなのだ」切ないがお薦めです。

2019/02/17

おしゃべりメガネ

コレ、読んじゃダメなヤツです。もう可哀想で切なくて仕方ないヤツです。アラフィフになって再会した中学時代の同級生「青砥」と「須藤」の静かながら、決して炎は小さくない大人の恋愛話です。なんとなくお互いの距離感が居心地良くて寄り添いながら、ゆるりと暮らす二人の様子が本当にステキに描かれています。大腸がん、ストーマ(人工肛門)などの描写がリアルで、読んでいて苦しく、切なくなり、自分の最愛の人がそういう境遇になったトキ、果たして自分はどう振る舞えるか、深く考えさせられました。涙が止まらなくなるとても深い作品でした。

2019/02/04

とん大西

…切ない。ただただ切なくて切なくて。50歳での再会。ゆるやかに静かに「好きになること」に怯えながら距離を縮める二人。結婚もした子育てもした離婚もした。伴侶に先立たれ散財し大病を患った。青春を渡って喜びと哀しみの日々を積み重ねた人生。ゆえに二人に寄り添う乾いた人生観と普遍の孤独。それでも青砥は青砥で須藤は須藤で…それでも二人は互いに寄り添っていたかった。「ちょうどよくしあわせなんだ」…孤独の淵をなぞるような言葉が儚くて愛しくて…泣かせる。ただただ切ない。うん、切ないです。

2019/03/03

のぶ

切ない話だ。一言で表現すれば50代男女の恋愛物語。世代的に近い自分は琴線に触れるところが多かった。青砥健将は検査を受けに行った病院で中学生の同級生、須藤葉子と再会する。二人はバツイチ。健将はかって洋子に振られた過去があった。偶然の再会から二人の物語が始まる。冒頭で洋子が癌で亡くなる事は書かれており、それまでの過程が描かれているのだが、壮年期ならではのとても渋い印象だが、お涙ものの話ではなく、人生経験を重ねた年代の心情や行動がとてもうまく表現されていて、ラストの余韻が印象的。

2019/03/07

chimako

良かった。本当に良かった。中学時代の同級生須藤(女)と青砥(男)。病院の売店で再開した二人。検査のために病院を訪れた青砥は何でもなく、その後に検査をした須藤は進行性の大腸がんだった。須藤は手術し、人工肛門を装着し、青砥の家に帰ってきた。抗がん剤治療を乗り越え、一人暮らしが出来るようになったら自分のアパートに帰っていった。そしてお互いの誕生日を祝いながら「言っちゃあかんやつ」を口にして青砥は須藤に絶交される。「約束」は反故にしない約束で。二人の結末は最初に明かされる。それでも涙を止めることは難しい。

2019/02/28

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