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虎を追う

虎を追う

虎を追う

作家
櫛木理宇
出版社
光文社
発売日
2019-09-18
ISBN
9784334913052
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虎を追う / 感想・レビュー

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ごみごみ

プロローグから一気に引き込まれた。連続幼女殺人事件。章と章の間に垣間見られる犯人とおぼしき人物の異常で残虐な描写には背筋が凍る。人間の判断力や記憶力は簡単に思い込みで左右されてしまう。冤罪が生まれることの恐ろしさにも鳥肌。当時の捜査に違和感を持つ元刑事が、孫とその友人の力を借りて真実に迫っていく。SNSやマスコミをうまく利用していくこの若者たちがスゴい!! それにしても、幼い子供をターゲットにした性犯罪ってどうしたら防げるのだろう?許せない、酷すぎる!なんて考えてたら、エピローグで寒気が・・

2019/10/26

モルク

30年前に起こった連続幼女殺人事件で死刑囚となった二人。一人は獄中で病死し、もう一人は無実を訴えている。事件当時担当刑事だった星野は事件に疑問をもち孫とその友人らとで真犯人を追う。ネットや雑誌を使い世論を味方につけ次第に真相に近づく。最近はこの世論による動きは侮れない。それが間違った方向に行くこともあるが、停まっていたものが動き出すこともあるのも事実。凄惨な殺人に至る暴力シーンは目を覆うものがあるが後半に行くにしたがって一気読み。しかし、後味の悪いエピローグに暫し絶句…

2020/02/11

読むのに時間がかかったのは、幼女に対する悲惨な暴力シーンが一度ならず再三にわたり描かれ、犯人に対する憤りと嫌悪感に読み手の精神までも痛ぶられて、なかなか次のページに行けず手が止まってしまったからだった。退職刑事の祖父を尊敬する孫と、母亡き後叔母の歪んだ愛情の束縛から逃れられず立ち止まったままの友人が、ネットやSNSを駆使しテレビ局や週刊誌を巻き込んで、30年前の事件の真相に迫ろうとする。孫と友人の未来が真っ当で明るい世界に漕ぎ出して行けそうな終わりにホッとする反面、エピローグに背筋が凍る思いだった。

2019/12/04

タイ子

30年前に起きた連続幼女殺人事件、当時事件に関わりながら不信感を抱いていた元刑事と孫、孫の友人がタッグを組み新聞記者、TV局の協力を得て冤罪に向かい憎むべき真犯人へと近づいていく。ネットを利用して社会に問いかけマスコミをも巻き込んで視聴者へのアピール。IT社会だからできる、この新鮮な手法を使った展開は読む方も目からウロコ状態。途中で挿入される残虐で凄惨な描写に胸が塞がる思い。それだけに犯人に対しての憎しみが募り、逆に冤罪に向かって進む男たちの正義が頼もしい。暴かれる真相と更なるエピローグで恐怖を覚えた作品

2020/01/14

nobby

少女達を極めて残虐に痛めつけ殺害した上で悦に入る「虎」、虫けら同然の所業を繰り返す輩を追いつめる骨太な展開に心躍らせながら惹き込まれた。その追跡のきっかけは、ある死刑囚達への冤罪の疑い。必ずしも好ましい人物ではない彼等ながら、その陰に潜む違和感は何なのか…もう珍しくない警察組織への懐疑やSNSでの誹謗中傷に歪んだ親子愛などの要素に眉顰めながらも、あくまで実直に進められる追求にこそ作品の本意が感じられたのが印象的。コーラとコーヒーでの乾杯を微笑ましく読ませながら、あのエピローグでまたゾッとさせるのもサスガ…

2021/06/24

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