読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

銀の夜

銀の夜

銀の夜

作家
角田光代
出版社
光文社
発売日
2020-11-18
ISBN
9784334913748
amazonで購入する Kindle版を購入する

銀の夜 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

しいたけ

芸能界でライトを浴びた経験を持つ彼女ら3人の30代。輝きとは程遠い生活と痛みに鬱々と読み進んだ。波間に漂っているだけという浮遊感は私にもある。いっそ波にのまれてしまえば何も聞こえなくなるのにと弱虫の私が言う。泣かせる物語ではない。なのに何なのだ、ラストに向かってこみ上げるこの熱いものは。読み終わりの爽快感は、誰かに非を認めさせることでも、誰かを不幸に落とし込むことでもない。読んだ私たちが物語とは一線を置くはずのこの世界で、40センチ先の地面に笑顔で踏み出す勇気を貰えたと感じること。これは私の物語でもある。

2020/11/20

アキ

読み終えて、じんわりとした感動がひろがる。著者が14年前に書いた小説を自身が初めて「小説というものは生きものみたいなものではないか」と語る。それは34歳の3人の女性たちの何ものかになろうとして何ものでもない空をつかむような足掻きが、心の声として聞こえくるからかもしれない。それは即ち著者自身の姿に重なるのかも。最後のシーンで朝の海にたわむれる女たちの記憶が人生を確かなものへと変える契機になるとしたら、著者が到達した50代に彼女たちはどんな女性になっているのだろう。それは書き継がれるのではないか。そう思った。

2020/12/03

美紀ちゃん

え?あとがきを読んでびっくり。 15年前に書いたものなの? それをなおすこともせず、今、出版したの素敵。 スーッと入ってきて一気読み。角田光代さんの激しさもあるような、今までの作品と比べると、そういった中では落ち着いているような3人の女性のストーリー。 旦那に依存するのではなく、自立したい気持ちには共感できる。

2020/11/28

もぐたん

三十代半ばの女三人。満足しているはずの心にわき上がる違和感、ここではないどこかへ行きたいという焦燥感、未来への漠然とした不安。それらがそれぞれの心に纏わりついてくる様が共感を呼ぶ。夫や母親との関係に苛立ちながら、三人三様、生き方の模索をしていく。その過程で、未来の短さにたじろぐものの、親の死という大きな出来事をきっかけに、自らの選択の連続が今である、という事実を受け止め、しんとした気持ちで自分を見つめ始める。女の欲深さと情けなさと逞しさが描かれた逸品。★★★☆☆

2020/12/04

ゆきらぱ

あとがきにあるように、15年くらい前に雑誌VERYで連載されていて、作者はすっかり忘れていたという作品。この不思議な、モンゴメリみたいなエピソードも込みで面白く読んだ。10年くらいで文化は変わると思うがこうして読むとまったく違和感がなく、ひたすら感情移入して読めた。この3人は今どうしているかなんとなく考えてしまう。知りたい。

2020/11/29

感想・レビューをもっと見る