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翼の翼

翼の翼

翼の翼

作家
朝比奈あすか
出版社
光文社
発売日
2021-09-22
ISBN
9784334914288
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翼の翼 / 感想・レビュー

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fwhd8325

物語の舞台となる環境下の経験がないので、よくわかりませんが、通勤電車で、私立小学校、中学校へ通学する子どもたちを見ていると、苦しそうに見えることがあります。親のエゴの犠牲になっているんじゃないかと考えます。この物語も息苦しく感じました。ただ、後半になり親も子も自らの意思を取り戻すあたりでは、本を持つ手に力が入り涙を堪えていました。

2022/07/30

eiro

たとえ合格してもだ。やっぱり虐待だと思う。よく自分の子どもにあんな苦行を強いるものだ。とにかく母親の虚栄心が最悪だ。テレビドラマや漫画の2月の勝者なんてものじゃない。現実はもっと狂気に満ち、壊された子どもも大勢いるのだろうな。田舎じゃあ全く縁のない話。あんな洗礼を受けた人たちが、やはり日本を動かしていく人たちの一部になるわけで、背筋が凍る、というのは言い過ぎか。昔より中学受験をする子ども、親、学校が増えたというのがびっくりだった。読んでて、大昔の漫画弓月光さんの「エリート協奏曲」を思い出した。

2021/12/09

よつば🍀

正に凄絶な家族小説。自分は親から勉強しろと一度も言われた経験がなく、自分の息子にもそれを通したのでこんな世界がある事に驚愕する。僅か八歳で名門塾に通い、難関中学合格を目指す親子の戦いが描かれる。受験戦争とは良くいったもので、その様子は本当に戦争の様だ。塾の成績によるクラス分けに一喜一憂し、余所の子と比較し、親の虚栄心を満たす為の物となる。一体誰の為の何の為の受験なのか。戦いの渦の中で大切な事を見失っていく両親に歯がゆい思いだ。子の心を壊してまで得られる物に価値はない。ラスト一頁でようやく胸を撫で下ろした。

2021/10/15

もっぱら有隣堂と啓文堂

出てすぐを古本で。「二月の勝者」と同じテーマ。どんより重い。溜息しか出ない。が、よく分かる。翼の気持ち、両親が息子にどうしても期待してしまう気持ち。算数が苦手な子がなんとかして現実から逃避したいときの手法のリアル、親の気持ちがジェットコースターのように激しく左右に振られ、短期間に乱高下するリアル。一連の心理を文章化するとこうなるんだな(できる子は違うが)。結局、受験は本人のためでなければならず、親が見栄を張るためであったり、ハラスメントがあったりしてはならない。有泉一家がそのことに気づけて本当に良かった。

2021/10/02

ゆみねこ

我が家には縁の無かった中学受験。8才で進学塾の全国テストを受け中学受験に挑むことになった翼くん。母・円佳は振り回され夫も巻き込んで追いつめられて行く。親の期待に必死に応えようとする翼くん、後半は胸が痛くて辛い展開に。何が子供の幸せなのか?考えさせられる1冊。

2021/10/19

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