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モラトリアムな季節

モラトリアムな季節

モラトリアムな季節

作家
熊谷達也
出版社
光文社
発売日
2010-03-19
ISBN
9784334927004
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モラトリアムな季節 / 感想・レビュー

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藤枝梅安

「七夕しぐれ」と「リアスの子」の後に読んだが、これは時代的には二つの作品の間に位置する。主人公・和也の3年間の浪人時代を描く。予備校に通うため仙台に出た和也は、高校時代に交際していた加代子と再会し、交際を再開する。が、小学校の短い期間を共に過ごしたナオミとの再会で和也の迷走が始まる。この作家は私とほぼ同世代。高校時代の音楽の趣味とか、当時の世相を思い出す。小説としては自伝とフィクションの狭間の、曖昧なところもタイトル通り。

2014/08/02

うわじまお

邂逅の森の熊谷さんのおそらく私小説。自分より10年ほど上の彼が、3浪した時代のまさにモラトリアムな季節のお話。とにかく、恥ずかしい(苦笑)。どれだけフィクション化したかはさておき、よくこの作品を発表されたなあと感心しました。やっぱり小説家って普通じゃない!!^^;

2018/07/15

ゆみねこ

3部作の2番目にあたるこの本、七夕しぐれ⇒リアスの子を読んで最後に読了。作者は私より3歳年下なので、昭和50年代前半の空気感が懐かしかったです。自伝的小説ではあるけれど、創作部分も多いと思いますが、作家熊谷達也の原点を作った時代のことが少し理解出来たかも。リアルに仙台の地名が出てくるので、地図を片手の読書になりました。

2014/09/06

KEI

「七夕しぐれ」の続編。あの5年生だったカズヤが浪人生になったのか!と、オバさん目線で読んだ。大人になりきれない、中途半端な浪人生活はまさにモラトリアムな時代だったと言える。自己愛と自己嫌悪に挟まれ、苛立つ姿はまさに青春の姿だと思う。その姿を著者は自分を投影して、初々しい青年の姿を浮き彫りにさせている。そのカズヤが「リアスの子」では教師になり、いずれ作家デビューを果たすのだと思うと感慨深い。読後感が良かった。

2020/03/27

シュラフ

大学受験というのは若者にとっては人生のはじめての岐路であろう。この物語の若者の場合は、勉学意欲があるわけではなく、父親の出身大学の国立大に入りたいと漠然と考えている。はじめての仙台でのひとり暮らしで若者は舞い上がってしまう。予備校をさぼっては好きなハードロックを聴きまくったり、高校時代の元カノとのデートを楽しんだりと、青春を満喫してしまう。結果としてなんと三浪になってしまうというおバカな若者である。だが、そんな自身の青春時代を少し気恥ずかしげ書いて様子が好感をもてる。そうわたしもかつては浪人生でした。 

2015/11/02

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