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失われた猫

失われた猫

失われた猫

作家
森博嗣
佐久間真人
出版社
光文社
発売日
2011-12-15
ISBN
9784334927929
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失われた猫 / 感想・レビュー

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Hideto-S@仮想書店 月舟書房

歩き続けろ。問い続けろ。輪廻転生する度に建築家になる白い猫。斑の猫は革命家。遠くを見通す目を持つが何もしない。「今が良ければいいのか?」「どうしてもっと上を見ない?」。時はただ流れていく。猫は何一つ変えられない。変えようとしない。何度生まれ変わっても、猫は猫だ。だが変わらないようで、何もかも変わっているのだ……。古い写真のような風景を歩く猫たち。暗示的な物語詩。一番大事なのは「運命と自分の一致」。変化が尊いのではない。しかし、運命に適応するため変化が必然なら変わらなくてはならない。猫にはそれが分かるはず。

2016/04/24

みかん🍊

詩的で哲学的な絵本です、白い猫は建築家、斑の猫は革命家、猫はそれを知っている、伝説の猫が表れることを、猫の予感は真実、大切なのはいつも遠くを見ることだ。人間が出て来ない列車と猫の絵と日本語と英語の文章で不思議名世界観の絵本です。

2015/11/06

雪うさぎ

佐久間さんのイラストを七並べのようにならべて、森さんが物語を綴る。朝が来ても夜が来ても、時刻はいつも12時23分。松尾芭蕉が奥の細道へ旅立ったみたいに、猫も旅立つ。夏草や 兵どもが 夢の跡。世界には変わるものと変わらないものがある。残るものと残らないものも。しかし、永遠の前ではどちらも同じだ。ただ、猫にはこだわりがある。哲学がある。たとえ朽ち果てようとも自分の足跡を残したいのだ。そしてそれは美しくなければ意味をなさない。その問いを求めて今日も旅をする。そう、問うために猫は生まれてきたのだから。

2015/04/18

紫 綺

リハビリ終了後の病院の図書室で出遭った。何となく借りてきたのだが、すばらしい出遭いとなった。もろ好みのイラストに、何故かワクワクする哲学的な文章、しかも和と洋。前作の「猫の建築家」にも遭いに行こう。

2012/01/07

nemuro

『猫の建築家』(文庫版で2009年11月読了、2022年9月再読)の姉妹編。図書館から借りてハードカバー版にて。帯に「白い猫は建築家。斑の猫は革命家。伝説の猫は、ずっと昔にいなくなった」更に「みずみずしく深遠な物語詩と、精緻に描かれた猫だけがいる街」とあった。巻末「The Last Cat*Index」の「駅前夜景」から「憧れ」まで全37作品のタイトルを見て、なるほど。『という、はなし』(吉田篤弘・文/フジモトマサル・絵)は「描きあがったイラストに文章が添えられた」そうだが、はて本書はどうだったのだろう。

2023/09/30

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