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ヘンリー・ジェイムズ作品集 (2) ポイントンの蒐集品 メイジーの知ったこと 檻の中

ヘンリー・ジェイムズ作品集 (2) ポイントンの蒐集品 メイジーの知ったこと 檻の中

ヘンリー・ジェイムズ作品集 (2) ポイントンの蒐集品 メイジーの知ったこと 檻の中

作家
ヘンリー・ジェイムズ
出版社
国書刊行会
発売日
2005-10-01
ISBN
9784336024947
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ヘンリー・ジェイムズ作品集 (2) ポイントンの蒐集品 メイジーの知ったこと 檻の中 / 感想・レビュー

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星落秋風五丈原

冒頭でヘンリー・ジェイムズ作品が長くなる理由について書かれていた。「主人公の心理的特質にある。彼の小説の男女の登場人物は、その育ちのせいか、階級的偽善か、生来の恥ずかしがりやからか、社交的遠慮深さによるのか、あるいは作者の感情的萎縮の繁栄か、とにかく自分の気持の表現を、相手の理解可能なすれすれの限界の、その少し手前のところでやめてしまう、という奇怪な特質がある。」既出作品で主人公達は、自分の気持ちを言う、或いは相手の気持ちを確かめる前に何度となく回りくどい言い方をする。ストレートに聞けば問題は解決するのに

2021/04/17

白黒豆黄昏ぞんび

とりあえず目的だった「メイジーの知ったこと」読了。メイジー、メイジーの父母、メイジーの父母が別れた後のそれぞれの夫と妻、メイジーの家庭教師、ほとんどこの6人で話が進みます。大人の惚れたはれたに振り回されるメイジーが経験によって大人より深い洞察力を身につけていく成長物語です。愛情とお金が絡みあって縺れていく中で、みなが自分の利権のためにメイジーを奪いあったり手放したり。メイジーの視点から語られるので、大人の事情は判然としないままですが、荒波に揉まれたからこそ賢く強い人間になるのだろうな。

2013/04/04

つだしょ

「メイジーの知ったこと」のみ読了。大人の事情で母親と父親の間の、そしてさらにまたその愛人たちとの間で引き裂かれるメイジー、という構図。実に、うんざりするほど微細な心理及び状況の描写。メイジーに寄り添った視点で<書かないで書く>ジェイムズの手法が発揮されている。しかし固執せず、常に全体を意識させるストーリーテリング。文庫化すれば読みやすくなりそう。しかし、長すぎると思う。心理などの描写にリアリティーがあるのはわかるが、正直ウンザリする。

2012/05/08

HODGE

『ポイントンの蒐集品』。主要人物は女性3人に男性1人。問題となっているのは男性が相続した美術品。その美術品をめぐって男性の母親と男性の婚約者が争うのだが、母親の方は偶然知り合った婚約者と同年代の魅力的な女性を「代理人」とする──その代理人であるフリーダの視点でロマンスを装った策略の物語が展開する。そして他のジェイムズ作品と同様、フリーダは婚約者から男性を「奪う」ことを断念するのだが、そこへ至る彼女の言動は曖昧で様々な解釈が可能であるかのように描かれている。ここでは美術品が主人であり男性はその付属品である。

2016/01/09

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