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求む、有能でないひと

求む、有能でないひと

求む、有能でないひと

作家
G・K・チェスタトン
G.K. Chesterton
阿部薫
出版社
国書刊行会
発売日
2004-02-01
ISBN
9784336046192
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求む、有能でないひと / 感想・レビュー

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zirou1984

みんな大好き「ブラウン神父」シリーズでは猫かぶってたのか!と思わざるを得ない、知性と毒気が全開なチェスタトンのエッセイ選集。実際、推理小説は余技で書いてたとの話が後書きにあり、信心と理性に皮肉をまぶし、世相をぶった切るチェスタトンがここでは楽しめる。テーマは多岐に渡っているが中でも資本主義批判の箇所は身につまされる事が多く、そうだよな、安月給で使われて金持ちの利益になる娯楽で束の間の消費を楽しんでる身って完全に奴隷だよな、と思わず全力で頷いてしまう。そう、カトリックは元来信仰と理性が共存する宗派であった。

2014/01/12

りつこ

短編集だと思っていたら評論集で、逆説的な表現や興味のない事柄についての文章もあり、私には理解できないものも多かった。それでも現代を予言しているようなするような文章があって頭のいい人というのは未来が予測できるものなのだな、と思わずメモ。『われわれがなんらかの集団主義に威圧されたなら、それはやはり、事情に通じた為政者やそのたぐいが、一部無関心な、一部暗示にかかりやすい大衆につけこんだのだとみてほぼまちがいない。』『いつの時代にも衰退は「改革」というかたちをとって現れる。』

2017/11/19

Prussian_Blue

アフォリズムというよりはパンチラインと呼びたくなる恐ろしく格好良いフレーズの目白押し。『こちらの常識は海賊の常識がはじまる直前で終わる』『人間が最高に「生きる」のは環境にクラッシュするときである』『一番実用的で有益な予言は当たらない予言である』等々。知性と文才の理想的な結合を見た。意見に納得するしないにかかわらず褪せないフレーズの魅力。コピーライターとか向いてそうwフェミニズムへの物言いはまあこの時代だから。現代人のくせして『文明の逆説』とかいう寝言書いてた立花隆よりましだと思えば逆にすげえわ。B+

2013/03/06

よしひろ

ブラウン神父もので有名なチェスタトンのエッセイを集めたもの。おそらく、かなり軽めに訳されている気はする。 逆説的な考えが、チェスタトンの本領だとは思うけれど、チェスタトンはおそらく、ごく自然な、普通の感覚というものに大変忠実であったのだろう。それはそれ以前から引き継がれてきた考えであり、自然的な人間の感覚であり、宗教であったりする。そういったものに忠実であることは、現代では非常に難しく、新鮮に思える。

2014/01/11

あくび虫

チェスタトンが寄稿したコラム集。「小説はあくまで「余暇」であった」という本人の言が、分かるような気がする一冊です。うまく言えないけれど、とても相応しい分野だな、と。短い文章で法哲学や政治思想、教育、人生等々について語っています。いろいろな考えをつまみ食い出来てとても贅沢。――まあ、はっとさせられるのと同じくらいに、少々理解に苦しむ部分もありましたが。面白いです。

2018/01/01

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