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アランの戦争――アラン・イングラム・コープの回想録 (BDコレクション)

アランの戦争――アラン・イングラム・コープの回想録 (BDコレクション)

アランの戦争――アラン・イングラム・コープの回想録 (BDコレクション)

作家
エマニュエル・ギベール
野田謙介
出版社
国書刊行会
発売日
2011-01-12
ISBN
9784336052940
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アランの戦争――アラン・イングラム・コープの回想録 (BDコレクション) / 感想・レビュー

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りー

戦争の肯定をする気は無いけれど、戦争が悲惨な事ばかりもたらしたとは限らない。それはもちろん経済的・文化的な価値なんかではなく、戦争が無ければ生まれ得なかった人と人との繋がり、訪れる事の無かったはずの場所、過ごす事の無かったはずの時間、そういうものたち。戦争に限った話じゃないけれど、その体験無くしては得られないものもあるのだ。このアランの戦争はまさしくそういった戦争の中でも得られた小さなもの達を描いた作品であって、わかりやすい戦争ドラマなんかではない。心の中にそっと明かりを灯す様な、ささやかな贈り物だ。

2014/04/09

yuzuriha satoshi

単なる戦争体験記ではない アランという人間の人生を共有する旅 老いて後 自分を全否定して生きなおす力とそれを支える人間関係を築いてくることができただろうか この本は哲学書に思える  上半期文句なしのベストワン

2014/05/15

kochi

カリフォルニアに住むアランは太平洋戦争が始まり、18歳で徴兵されヨーロッパ戦線へ。諸々のタイミングからか、特に大きな戦闘は経験せず、本当のところは不明だが、戦友の誰もが戦死していない。どちらかと言うと、戦後軍属として欧州で働き、帰国後も母国での生活に馴染めずに、再び欧州に戻ると言う、ボヘミアン的な人生が意外な大物との交流を交えて淡々と語られる。誰とでも仲良くなれる性格がうらやましい。フランスの漫画(バンド・デシネ)は初めてで、作者の特徴か主人公がどの顔なのかが、最後までわからなかったが問題なしf^^;

2021/05/01

印度 洋一郎

フランス人の著者が、知り合ったフランス在住のアメリカ人から聞き取ったオーラル・ヒストリーをコミック化。第二次世界大戦の時代、アメリカの若者が徴兵され、軍隊の訓練を受け、大戦末期のヨーロッパ各地を転戦する様子が描かれているが、題名に相違して戦闘シーンはほとんどない。拍子抜けするほど呑気な日々、不意にやってくる命の危険(何故か戦闘とは関係無い)、共に戦場で過ごす戦友達やドイツで出会う人々等、無名の一兵士ながらもアランの人生は驚きに満ちている。アランの洞察力と、確かな画力に支えられた著者の構成力の賜物だろう。

2012/08/25

おーしつ

フリースタイル「このマンガを読め!」のランキングで6位に入ってたのをキッカケに読みました。マンガ(BD)でしか表現し得ない濃密な作品。読む前に思っていたような「戦争」作品ではないものの、 頭も良く、勇気と冷静さを持ち、芸術にも造詣が深く、人生を楽しむ術を集中にしているように見える主人公アラン(その恐るべき記憶力よ)に、「私が生きていたのは私自身の人生ではなく、他人がのぞむ私の人生だった。」と思わせた 原因にはやはり戦争があるのだろう。続刊の幼少期の話も楽しみ。

2012/02/11

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