偏愛蔵書室
偏愛蔵書室 / 感想・レビュー
コットン
『アサッテの人』の著者:諏訪哲史さん(師は種村季弘だったと知るとさもありなん!)による偏愛本紹介。よく知られた本も中には有るが、聞いたこともない著者の名前が書かれていて、その内容もインパクトがある。そして、正岡蓉『風船紛失記』という本の装丁装画がなんと稲垣足歩だったりと。面白い。
2019/03/23
harass
読友の気合の入ったレビュに感化され図書館で借りて読むが、すぐに返却する。これは手元に置いて所有すべき本だった。中日新聞に連載されていた書評を集めたもの。100冊の書評。今どきにこんな濃ゆい本を集めてびっくりだわ。購入して再度レビューの予定。
2016/02/24
傘緑
「慎ましく花弁を閉じる倒錯の花花…僕の狭い蔵書室から無限を夢みて開く、偏愛すべき本たち」掌編のようなほどよい短さの書評、著者は種村季弘の弟子、「ケッペンを読め。プルーストより凄いから。あれは意識の流れとかじゃない。それ以上の何かだ(種村)」師の馥郁たる薫陶を思わせるも、衒いの匂いが鼻につく、師の如き登仙の域にはまだ遠いかな?「漫画におけるグロテスクは楳図かずおが開拓し、日野日出志、花輪和一、丸尾末広によって極北へ達する…今では当の丸尾を標にして大越孝太郎や駕籠真太郎ら新鋭が健筆を揮う」駕籠までお読みとは…
2016/12/21
zirou1984
帯に刻まれた「文学の魔導書」という言葉に偽りなし。種村季弘の愛弟子である著者が紹介する漆黒の書物の数々、それは夜の籠に封じ込められた人間の業。新聞で連載されていたというのが驚きな、恐ろしく純度の高い書評集。奇書絶版問わず、1冊につき3ページで紹介されていくそれは異界への入り口であり、その呼び水として用いられる言葉は知性の刃物で研ぎ澄まされた蠱惑の呪文。もはや書評という枠を超えた、ひとつの言語藝術とでも呼べるその語り口にはひたすらに陶酔してしまう。これぞ読書という修練が生み出した、とある魔術の禁書目録。
2015/12/05
藤月はな(灯れ松明の火)
10月から11月にかけて開催された名古屋市中の本屋イベントで知ることができた本でした。「今、人気で売れている本=簡単に消費されうる本」ではなく、諏訪氏にとっての「何度も何度もその滋味を噛み締める本」、「何度、読んでも心にさざなみを立てる本」を紹介している。そのため、手に入る本も少ないが心を擽る珠玉のラインナップで嬉しいです。読んだ本があった時は嬉しくてその箇所を何度も読んでいました。その紹介の中で私は、「時」に囲まれた少年を怨念じみたタッチで描いた漫画と人が動物となっていく現実を描いた小説を読みたいです。
2015/02/14
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