新編日本幻想文学集成 第8巻
新編日本幻想文学集成 第8巻 / 感想・レビュー
ぐうぐう
『新編 日本幻想文学集成』第8巻は「漱石と夢文学」と銘打たれ、夏目漱石・内田百閒・豊島与志雄・島尾敏雄の4作家が収録されている。「夢十夜」や「倫敦塔」をはじめ、漱石の収録作はすべて再読となったが、デビュー間もない頃からすでに漱石は幻想小説を積極的に書いていた。そもそも『吾輩は猫である』からして、幻想的設定ではあるのだ(なにせ、猫の一人称なのだから)。言わずもがなだが、漱石はポーの影響を色濃く受けてもいる。内田百閒はその随筆がそうであるように、幻想小説においても、どこか可笑しみを感じさせる作風だ。(つづく)
2018/03/16
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