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後藤明生コレクション1 前期I

後藤明生コレクション1  前期I

後藤明生コレクション1 前期I

作家
後藤明生
いとうせいこう
奥泉光
島田雅彦
渡部直己
出版社
国書刊行会
発売日
2016-10-28
ISBN
9784336060518
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後藤明生コレクション1 前期I / 感想・レビュー

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kiyoka

後藤明生という作家を全然知らなかったのだが国書刊行会がこれほど力を入れてるコレクションとはどういうものなんだろう、とりあえず1巻だけ…と思って読んでみた。最初はふんふんって感じなんだけど段々とハマっていく。軽快な語り口。だけど深い気もするし。いやあ、面白い。私小説っぽい団地シリーズが好き。『S温泉からの報告』はつげ義春っぽい画像が浮かんできた。ちょっと驚いたのはこの作者、早稲田→博報堂→平凡出版とけっこうなエリートコースを歩んでるところ。挫折とは無縁な人のように思えるが。他の作品も読んでみたくなった。

2018/06/06

かわうそ

やっぱり後藤明生はめちゃくちゃ面白い。飄々と人を煙に巻くような文体で本筋からの脱線を繰り返しているかと思いきやいつの間にか大きく回り道をして元の話に戻っているみたいな構成がほんとに好き。このコレクションはあまり急がずゆっくり楽しもうと思っていたのですが、はやくも次が読みたくなってきた…

2018/03/24

踊る猫

一体なんなんだろう。タイトルから予想していたようなストーリー展開が読めない。予想もつかない展開、デタラメでそれでいて綺麗に繋がっているストーリー、軽妙な語り口……どうでも良い微細な部分をこれでもかというほど丹念に記述し、綿密に記録して行くその術はカフカやベケットのようでもあるし、そうでもなさそうだ。落語がベースとなっているという点では町田康氏にも通じそうな気もするが気のせいかもしれない。兎に角ワケが分からない。読んでいて予想もつかないスジの展開で脳が疲れてしまうのだけれど、不思議と読み応えあり。シュール!

2017/04/05

ハイザワ

後藤明生的な「わたし」の立ち位置というものがあるのかもしれない。『笑い地獄』で書かれたような「仮装」、その場にはいるけれど参加していないという立ち位置は、『関係』や『パンのみに非ず』のような作品、さらには男が言葉を発さない団地という環境の中にも現れていると思う。当然それは行き当たりばったりな語りと無関係ではない。一つ一つの出来事は詳しく書かれているはずなのに、それがあらぬ方向に向かっていくにつれて、テクストの中に、冷笑的ではない形で規範から距離を取った「わたし」が潜り込むだけの隙間が生まれるのだろうか。

2017/09/11

山田K

この文体が好きです。何ともツラツラと心地良くて。とにかく関係性に拘りまくる主人公、放逸に脱線していく「わたし」の思索。でもきっと自分の頭の中身もこんな感じでしょう。それまでハッキリと言葉に出来なかった常日頃感じている諸々の想いを、上手く表現してくれたなという感じを受けました。特に『笑い地獄』での不参加の感覚と、「無言の行を強いられる団地夫たち」のその理由に。『階段』『パンのみに非ず』が印象的でした。『階段』を読み終わったとき、何だかすごい完成度を感じました。最後の『ある戦いの記憶』は笑い過ぎて涙でました。

2017/06/25

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