水の迷宮
ジャンル
水の迷宮 / 感想・レビュー
HANA
碩学による鏡花論をまとめた一冊。装丁や見返しに小村雪岱を使っているあたり実にわかっているなあ。名高いちくま文庫の鏡花集成を編集しただけあり、水やアーキタイプとしての女性、摩耶夫人に白山信仰、オシラ様と多岐に渡り、鏡花集成の解説文に、芝居と対談と充実した内容となっている。鏡花で覚えているのは「高野聖」に「草迷宮」「春昼」等代表作だけで、本書中によく言及されている『山海評判記』等は内容を大部分忘れてしまっているのだが、それでもやはり本書を読むとまた手あたり次第鏡花を読みたくなる。そんな魅力を持った一冊でした。
2021/01/02
感想・レビューをもっと見る