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山の人魚と虚ろの王

山の人魚と虚ろの王

山の人魚と虚ろの王

作家
山尾悠子
出版社
国書刊行会
発売日
2021-02-27
ISBN
9784336070999
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山の人魚と虚ろの王 / 感想・レビュー

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アキ

山尾悠子初読。幻想的で夢の中のような不思議な世界。妻との新婚旅行中に亡き母と会い、夜の宮殿で<山の人魚団>という舞踏団に<虚ろの王>という実体のない存在の、妻をも巻き込んで、舞踏と浮揚にまつわる物語。映像化したら面白そう。確か著者は岡山出身。岡山の蟲文庫でサイン本買ったのを思い出した。

2021/05/11

コットン

今回の装丁は嬉しいミルキィ・イソベ氏の函入りで物語に合ったデザインが良い。ストーリーの急速な場面展開やフラッシュバックのような効果が現実的でありながら夢を見るような描写の数々はカルトなシュールレアリズム映画を見るようでもあり楽しめる1作。

2021/05/08

HANA

新婚旅行の話。らしいのだが粗筋を把握するのは非常に困難。著者の小説は前からそうだったのだが、先の『飛ぶ孔雀』あたりから散文詩、象徴詩の域に入っているような気がする。『科学の結婚』の如くそこに隠されている意味を探すもよし、随所にみられる言葉が持つイメージに翻弄されるもよし。読者たる我々に出来るのはその言葉が作り出す世界、絢爛たる伽藍に圧倒されその内部を迷い歩くだけである。思うに稀に言葉だけで世界を作ろうとしてしまう作家が一握りいて、著者はその一人だと思う。その世界を垣間見る事が出来る事を今はただ寿ぎたい。

2021/04/06

麻衣

(回遊の回顧録)夜の宮殿ではシャンデリアが騒ぎ出す頃上座の女王が胸をくつろげて座し、見霽かす長テーブルの遥かむこう、冬期の娘は野茨を踏み、それは音階をあげて悲鳴は遠く盛大に響き渡ったそうでございます。舞台は夜明け。不吉にも石灰色の空を背景に、枝は全て北を指し、けたたましい鳥の囀りに新婚旅行の主役である幼妻は青褪めた黒衣を翻らせ踊る舞踏靴のカァニバル。火炎焱を残しての逃避行はまるで異国の物語のように思われたが、立ち上る線香の煙を飲み干した時には既に酩酊の感。油も切れる、(水のないこんなところでは。)

2021/03/21

くさてる

題名から内容、文章のひとつひとつまでが、完璧に砥がれた水晶のような完成度で、ただもうため息。幻想というか奇想というか、物語の中身自体を解釈するのではなく、そこから生まれるイメージに飲み込まれる心地良さに圧倒されました。いやもうすごい。素晴らしい。

2021/09/08

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