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記憶破断者

記憶破断者

記憶破断者

作家
小林泰三
出版社
幻冬舎
発売日
2015-08-06
ISBN
9784344028036
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記憶破断者 / 感想・レビュー

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徒花

記憶が数時間しか持たない男と記憶を操る狂人の戦いを描いたスリラー作品。帯であおっているとおり、最後の一行で「ぎょえっ!」とさせられる。著者のほかの作品と関連があるようで、それと組み合わせることによって最後の一行にはいくつかの解釈ができるようだが、残念ながらワタクシはそれらの本を読んでいないのでもっとも単純な解釈しかできなかった。しかし、おそらくこのもっとも単純な解釈こそが読者を恐怖のどん底に陥れるものなのではないかと思う。まあまあおもしろかった。

2016/07/04

🐾Yoko Omoto🐾

小林作品初読み。前向性健忘症のせいで記憶が数十分しかもたない男と、触れた相手の記憶を都合良く改竄出来る超能力殺人鬼。記憶を補完する手立ては自筆のノートのみという主人公が、偶然にも関わり合うこととなった超能力者をいかなる方法で追い詰めていくのか、記憶喪失という設定上、繰り返す描写が多いながらもスピーディーな展開に一気読み。人間の記憶が如何に曖昧で不確かなものか、疑うべくもないと思っている自分の記憶は本当に正しいのか、そんな薄ら寒さを感じるラスト。ただ、面白かったが疑問も残り、ややモヤッとした読後感ではある。

2016/09/11

nobby

ふーむ、まさに「記憶を持たない英雄と記憶を操る怪人の対決」をわくわくドキドキしながら読んできて迎えるラストは頭の中はモヤモヤと疑問符でいっぱい…数十分しか記憶が保持できない前向性健忘症なる主人公の視点でほぼ描かれる展開は、その繰り返される様や時系列の曖昧さから正直どこまで正確に把握出来たのか不安(笑)それでも映画『メメント』に勝るとも劣らぬ程に一気に読ませるのがスゴい!いちいちノートを開く度に目にする「自分は殺人鬼と戦っている!」は強烈過ぎる!記憶の改竄と消失がぶつかり合う心理戦を軽快に楽しめるのがいい。

2019/11/08

utinopoti27

『人の記憶を自由に改ざんできる男』雲英光男。彼の能力は、監視カメラにさえ警戒していれば、アリバイのでっち上げや、罪のなすりつけもやりたい放題の恐ろしい力です。対するは『つかの間しか記憶を保てない男』田村二吉。すぐ記憶が飛ぶので、光男の力に唯一対抗できるのだ。作者はよくこんな設定を思いつくなあ(;^_^A。さらに光男も二吉も間が抜けているようでいて、妙に説明調で理屈っぽい。ほかの登場人物たちも掴みどころがなかったりと、このカオスはいったい何なのでしょうね(笑)。ともあれ、この作風は中毒性がありそうです。

2018/12/08

みっちゃん

目覚めると、目の前には1冊のノート。「警告!自分の記憶は数十分しかもたない」ふむ。「今、自分は殺人鬼と戦っている」え、え〜っ!?一気に引き込まれた。人の記憶を改竄してしまう事で、非道の限りを尽くしている犯人の能力。誰にも悟られないこの力に、記憶のない主人公だけが気付く、というのが面白い。同じような記述が続く中に小さな違和感を感じたような気がして、自分の記憶にも不安が沸き上がる。そしてこのラスト!「えっ!?」慌てて最初に戻ったよ。何ともモヤモヤして気持ち悪いねえ。関連があるらしい【忌憶】を読んでみる事にする

2015/10/13

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