酒の渚
「酒の渚」のおすすめレビュー
出会いと別れの季節に読みたい。さだまさしが振り返る、豊かな夜の記憶
『酒の渚』(さだまさし/幻冬舎)
春は出会いと別れの季節だ。親しくしていた人が転勤で遠くに行くことになったり、新人が職場に配属されたり。転職などで新しい環境に飛び込む人もいる。既に送別会でお世話になった人を送り出した、という人も多いのではないだろうか。この時期に欠かせないのが、お酒の存在。そして酒の席にはいつも、ドラマがつきものだ。
酒の席にまつわる思い出が綴られた『酒の渚』(さだまさし/幻冬舎)は、この季節にぴったりのエッセイ集だ。シンガーソングライターや作家として幅広く活躍するさだまさし氏が、雑誌『GOETHE』で2015年~2017年に連載していたエッセイが書籍化された。
20代から歌手として活動し、日本全国を公演で回っていた著者。本書の各エピソードではそれぞれの土地の名酒と名酒場、酒の席を共にした人々が登場し、そのバラエティの豊かさには驚かされる。本書を読み進めるうちに、出会った人たちへの著者の眼差しの温かさが伝わってきて、なぜ彼が全国各地で愛されるのか、その理由がわかる気がした。
お酒を通して著者が出会ってきた人々の中には、残念ながら…
2018/3/30
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酒の渚 / 感想・レビュー
いつでも母さん
寝る前に少しずつ読んだ。朝からでも呑みたい気持ちはあるが体が拒絶するようになってしまい、もう人生は終わりだとも思った私。さださん、多分好きな事を仕事にして、そこから色んな人と交流が出来て輪になって・・そして生まれる歌や話を還元してくれる。その中から自分の心が共鳴するものを勝手にチョイス出来る自由と幸せを感じる。今はもう無い場所や人。私は知らないのだけれど、こうしたエッセイでその雰囲気を香りを感じる事が出来るって、やっぱり幸せなことだと思う。
2018/04/11
chantal(シャンタール)
酒豪でもあるまっさんのお酒にまつわるエトセトラ。ほんとに日本全国色んな所へ行って、色んな人と出会ってるまっさん、すごいよなぁ。下戸の私はほんとに損してる気がする。お酒飲まなきゃ友達になれない、なんて事はないはずだけど、やっぱり損してる気がする・・・今までも「お酒ダメなんです」と言った時、相手にすごくガッカリされた事は数知れず・・蘊蓄聞いたりするのは好きなんだけどね。まあ、世の中ままならないよね。と、最近色々あって、本とは何の関係もないところで自己嫌悪の只中にいる私。まっさんの歌でも聴いて元気出そう。
2022/09/30
鉄之助
小噺の名手・さだまさし、らしいサラリと読ますエッセイ集。今は無き、大阪の「ホテルプラザ」のバーに関する部分が気に入った。あとがき、に出てくる没になった原稿も読みたくなる。
2018/07/09
milk tea
人との出会いの数だけ別れがあり、別れはやはり切ない。けれども、そこには優しさも温かさもありました。「さようならホテルプラザ」には泣かされます。今日も素敵な仲間とどこかで呑んでいらっしゃることでしょう。
2018/05/06
Kei
さださんに、お酒呑みのイメージがなかったのですが、なかなかの。(笑)ただ、お酒を通じての交遊録、人との交わり、です。創作秘話もあり、一話一話が、まるで小噺か短編のよう。さだまさしが登場した頃、彼のような人は、昔なら、文学青年、今は、ミュージシャンかぁ、と言った人がいましたが、やはり、根っこは永遠の文学青年です。
2018/08/06
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