KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

切なくそして幸せな、タピオカの夢

切なくそして幸せな、タピオカの夢

切なくそして幸せな、タピオカの夢

作家
吉本ばなな
出版社
幻冬舎
発売日
2018-07-26
ISBN
9784344033320
amazonで購入する Kindle版を購入する

ジャンル

「切なくそして幸せな、タピオカの夢」の関連記事

恋人の前ではご飯が食べられない……鬱屈した自意識の果てに見つけた、愛について教えてくれた絵本【読書日記7冊目】

2019年8月某日

 大勢の人がいる飲み会を1時間で抜けて、スーパーで大量の総菜を買い込み、レンジで温めもしないままの冷えた筑前煮と唐揚げと餃子をバリバリ食べた。茶色いおかずはもれなくおいしい。さっきまでいた飲み会でもご飯が並んでいたけれど、肩をすぼめて枝豆を2~3本食べただけだ。もちろん1回に2合の白飯を食べても全然平気な私が枝豆3本でお腹がいっぱいになるわけもなく、いつもこうして飲み会を気持ち早く抜けて家に帰って爆食いしている。

 誰かと一緒にいるのは好きだけど、人前でご飯を食べるのは恥ずかしくて居心地が悪い。いわんや、好きな男の人とをや、だ。

 私は好きな男の人と一緒にご飯を食べるのが苦手だ。

 逆にご飯を一緒に食べても安心できる男の人とはセックスできない。

 非日常と暴力の最果てのようなことをした相手と日常と安心の最果てのような行為を平然と行えるような人は人格がふたつ以上あるか、非日常の行為をした事実ごと忘れてしまった記憶喪失者かのどちらかだと本気で思っているけれど、世の中の大半の人はそのどちらも器用にできるらしい。なんであんなにヤバいことをし…

2019/9/17

全文を読む

関連記事をもっと見る

切なくそして幸せな、タピオカの夢 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

吉本 ばななは、新作中心に読んでいる作家です。絵本と短編の中間のような作品でした。恋人にしても夫婦、家族にしても、東京バンドワゴンの堀田家の家訓のように「食事は(家族)揃って賑やかに行うべし」が大事なんでしょうね。Soupy Tangの絵も好いですが、ほぼ一色に塗りつぶした頁は不要だと思います。私は、タピオカを好きですが、タピオカ専門店には行ったことがありません。台湾には、ごく普通にあるお店なのでしょうか?

2018/09/15

風眠

人生は一度しかなく、なるべく幸せでいた方がいい。なるべく愛する人と、おいしく食べた方がいい。/(本文より)人生には幸せじゃない時もある。食べ物もおいしくない時もある。けれど吉本ばななは「なるべく」と言う。こんなにも心がこもっていて、温かな実感が伴う言葉があったなんて。私にとっての「切なくて幸せな〇〇」はキーマカレー。パプリカや蓮根などの素揚げ野菜をトッピングした、見た目だけおしゃれカレー。あの人と二人で台所に立って、野菜どれのせる?って。あの時の切なさも、幸せも、もう過去のこと。でもそれでいいのだと思う。

2018/10/04

ゆのん

【絵本】絵本ではあるが大人の絵本。すごく素敵な本だった。相手を一途に想って一喜一憂していた懐かしい恋愛時代や、大切な我が子の幼い時を微笑ましく思い出す。夜泣きや病気、反抗期や受験など大変な事も沢山あったけど、母である私に100%依存していないと生きられない弱く愛おしい時間はあっという間に過ぎてしまう。完全に親離れしてしてしまった我が子だが今は見守りつつ自分の時間を楽しみたいと思わせてくれる本だった。116

2019/04/12

美登利

ばななさんの短いエッセイに海外のイラストレーターさんの絵画付きの絵本のような本です。家族と、好きな人と食べる家庭の味やお店での食事の思い出色々。本を開くと何だか懐かしい気がするのは、絵が小学生の水彩画みたいに感じるからか。誰もがこのように描けるわけじゃないけれど、クラスに何人かいる絵の上手な同級生が描いたような気がして。この本を読んだたくさんの人たちに、ばななさんと同じような温かい思い出がありますように。子供が巣立つことは寂しい思いもあるけれど、それは決して悲しみではないように。

2018/08/31

ででんでん

ばななさんの本はそんなに読んでいない。この本は字が少なくて、でもめくってみた中身が気になって、それからイラストがとても素敵だったので久々に手が伸びた。私はお父さんの吉本隆明さんが、昔から好きで、ばななさんが小さいときのお父さんとの暮らしについての描写がとてもよかった。お母さんが病気だったから、隆明さんは、少しでも時間があれば自分の研究がしたかったはずだが、幼いばななさん姉妹のごはんを毎日調えていた。市場のお総菜や、食材使いきりのために同じ材料ばかりの「づくし」メニュー。でもそこには確かな愛情が。

2019/02/17

感想・レビューをもっと見る