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雨上がりの川

雨上がりの川

雨上がりの川

作家
森沢明夫
出版社
幻冬舎
発売日
2018-10-25
ISBN
9784344033795
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雨上がりの川 / 感想・レビュー

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しんたろー

待望の新作。スッと物語に入っていける文章は著者らしいが途中までハラハラした…と言うのは、不穏な雰囲気で進行する内容が「もしや、私の好きじゃない『イヤミス』系を試している?」と危惧したから。勿論、人の優しさと切なさを巧みに掬い上げてきた作風は健在で、心地好く読み終える事が出来た。新聞連載作品なので、興味を引っぱる構成にしたと推測するが、中盤過ぎ迄は戸惑うファンもいるだろう…老婆心ながら誤解されないかが心配…最後まで読めば「優しく温かい嘘」に酔える「家族の在り方」を問う佳作だと思う。そして、春香ちゃんが最高!

2018/10/26

kanegon69@凍結中

なかなかのボリュームなのに森沢さんの紡ぐ物語は優しく流れるピアノの曲のように心地よく、最後までゆっくり楽しめました。いじめ、引きこもり、霊媒師、洗脳、、難しいテーマに対して、正義の剣でバッサリやる訳でもなく、やっぱり森沢さんらしい温もりを感じるストーリーです。後味がとても温かい。そうですね、ど素人で恐縮ですが、ショパンの「別れの曲」みたいに静かに始まり、後半荒れ狂うように一気に盛り上がる。そして余韻を楽しむような静かなエンディング。いつもの珠玉の言葉も心に響く。自分の生き方に静かに染み込む素敵な小説です。

2020/02/21

ウッディ

イジメで不登校になった春香、状況を好転させるために不審な言動や行動を取るようになった妻が、怪しげな霊能力者紫音にのめり込み、洗脳され始めていることを気に病む夫。そして娘までも不可解な行動を取るようになるが・・。森沢さんらしくない不穏な展開にドキドキするが、色んな事が収まり、スッキリとした結末を迎えます。「子はかすがい」の言葉通り、黒幕のの助けも借りて、家族の崩壊を救った春香が一番、大人だったような気がします。イジメも含め、今回の経験で、心を磨いた春香は弱者を思いやることのできる立派な大人になるに違いない。

2021/06/20

みも

毛色の違いに正直困惑。核心に触れる箇所は伏線を張りつつ伏せられるミステリ的手法。冒頭から不穏な空気が漂い、着地点が見えないまま崩壊の予感だけが脳内を駆け巡る。苛めを受け不登校になる中2の娘。霊能者に心酔し不可解な行動に走る妻。否が応でも僕は、夫もしくは父親の視点で推移を見守る事を余儀なくされ、家庭内での疎外感に自己投影しては心痛に震える。些細な事で家族の絆にヒビが入り、修復不能になる事もある。ある人の死が事態の幕引きを呼び、少しだけ陰鬱な思いが残る。また、春香の手練手管が鮮やか過ぎて逆に腑に落ちなかった。

2020/10/29

Makoto Yamamoto

森沢作品4作目。 今回も森沢ストーリーを楽しめた。 娘の春香がいじめに遭ったことをきっかけに、ぎくしゃくし始めた川合家の日常。そのんな中、妻の杏子の行動がおかしくなり、次いで娘の春香も。 二章のエスカレートから急激に進み、三章の騙されたのは誰で春香が大活躍。 締めが期待した通りだったので、ホッとした次第。

2020/10/07

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