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聖者が街にやって来た

聖者が街にやって来た

聖者が街にやって来た

作家
宇佐美まこと
出版社
幻冬舎
発売日
2018-12-06
ISBN
9784344033962
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あらすじ

新旧住民入り乱れる再開発地区で連続殺人。
どの現場にも残された一片の花びら――。

同一犯か、模倣犯か。

『骨を弔う』で話題の日本推理作家協会賞作家、
渾身の書き下ろしミステリー。

企業誘致に成功し、タワーマンションも乱立して人口が急増する神奈川県多摩川市で、小谷桜子は古くから花屋を営んでいる。娘の十七歳の菫子が市民の結束を目的に企画されたミュージカルの演者に選ばれた。新旧の住民が入り乱れながら盛り上がっていく街。だが、水を差すかのように若い女性が立て続けに殺される。それぞれの遺体近くには異なる花びらが一片だけ、なぜか残されていた。犯人が捕まらずに謎も不明なまま、街は恐慌状態に陥るなか、今度は菫子が何者かによって誘拐されてしまう。

聖者が街にやって来た / 感想・レビュー

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Yoko Omoto

再開発によって古き町や商店街に歓楽街、新興住宅地や商業施設が共存し混沌たる風情を見せる涌新地区で、町興しの市民ミュージカル開催決定と時を同じくして起こった連続殺人事件。町では一体何が起こっているのか。その不穏な空気と、町に流れる猥雑な雰囲気が相乗効果を生み、複雑に入り組んだ人間模様を読ませる手腕に唸る。事件の全容解明に繋がるピースは多彩だが全てに意味があり、根底に流れるのは登場人物それぞれの親子の形であるというその構成と丁寧な描写も見事。しかし世の中はどうしてこうロクでもない親で溢れているのか…。

2019/02/24

のぶ

宇佐美さんは前作「少女たちは夜歩く」が良かったので、続けて読んでみた。本作は比較的オーソドックスなミステリーだった。小谷桜子は多摩川市で古くから花屋を営んでいる。街でミュージカルを上演しようという事になり、娘の菫子が演者に選ばれた。一方で街中では連続殺人事件が発生する。遺体の近くには花びらが遺されていた。そんな不穏な状況の中、菫子が事件に巻き込まれる。ストーリーは他にもよくある展開で新鮮さはないが、開発された穏やかな街に、隠された暗部に事件を通して描いて行く小説として読めばそれなりに読み応えがあった。

2019/01/15

みかん🍊🌸

新旧住民が入り乱れる混沌とした街で起きる連続殺人事件、古くからの歓楽街で花屋を営む桜子と菫子親子を軸に市民ミュージカル、ストリートギャング、ドラッグと湧き起こる事件、母親に愛されず大切にされなかった子供はいくつになっても母を求める、そして周りがどんなに酷い母親だと思っても子供は追い求めてしまうが子供を顧みない母親たち哀しく切ない事件だった。

2019/01/17

タイ子

表題はミュージカルの演題だけじゃなくて、人々の希望と、期待がこもっているんですね。開発されていく新旧交わる街で連続殺人事件が起こるが警察小説ではないので、捜査のあれこれはない。その代わりに猥雑とした街に住む人々の生活にスポットを当てて、人生の機微を哀しく、愛しく、時に怒りを覚えながら読ませるところが宇佐美さんらしい。総じて母と子の物語、そこには愛される娘、愛に縋りつく息子、愛さえ信じない息子がいる。誰かの為に手を染める切なさに胸が疼く。冒頭からの伏線に二度読み。少年の未来に光あれ!

2019/02/24

美登利

とても面白かった!いつもの宇佐美さんのなんとも薄気味悪い雰囲気があまり感じられ無かったので、少し物足りない気持ちもあり。割と早くに犯人の予想はつきました。愛に恵まれない母子達と周囲からの溢れる愛に包まれている娘との対比も切ない。宇佐美さんにしては珍しく都会の多様な街が舞台でその陰と陽の中に現代の抱える闇がテーマで、これ石田衣良さんの小説?な雰囲気もありましたが、登場人物の健気さに心を掴まれる場面が幾つもあるのです。花が沢山出てくるので、その姿を思い浮かべながらわくわくと謎解きを楽しみました。

2019/01/09

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