怖いへんないきものの絵
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「怖いへんないきものの絵」のおすすめレビュー
なんだこれ…? 名画の中に“へんな生き物”がいるのはなぜ?
『怖いへんないきものの絵』(中野京子、早川いくを/幻冬舎)
学生の頃から、都合が合えば美術館に行く。ウォーホルやリキテンシュタイン、バスキアといったPOPアートも好きだが、ルネッサンス期の絵画なども面白い。繊細で美麗であるうえに、どこか滑稽だからだ。美術館は1人で行くことが多い。じっくり時間をかけて堪能するためだ。そして、ときどき妙なことに気づく。「この絵はなんだろう?」「この生き物はなんだ?」と。このような疑問は学校の美術の教科書などを見ても感じることはあった。そんな自分が抱いていた感情、疑問に答えてくれるように登場したのが『怖いへんないきものの絵』(中野京子、早川いくを/幻冬舎)である。
一言断っておくと、本書に登場する絵は怖いものばかりではない。中には笑ってしまうシチュエーションもある。もちろん、笑えるかどうかは個人差が大きいと思うが、まず一作目の「ワトソンとサメ」はなんとも妙なシチュエーションだ。海で男性がサメにおそわれ、船上の男たちがそれを助ける様子が描かれているのだが、襲われている男性は全裸なのだ。一体なぜ?
中野京子氏の解説によれ…
2019/3/13
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怖いへんないきものの絵 / 感想・レビュー
いつでも母さん
こうして本にならなければ、どちらもふ~んと見過ごしていたな多分。見方ひとつ、受け取り方ひとつで、こんなにも楽しくなるんだ。「木を見て森を見ず」って言ったのは誰だ?これは「木を見て森も見る」感じ。これはもうレビューなど不要かと・・『不気味で可笑しい名画の謎に迫る』の帯はまんまでした。まだまだたくさん不気味で可笑しい絵画があるに違いない。
2019/02/05
徒花
まあまあ。「怖い絵」シリーズでおなじみの中野京子さんと、ベストセラー『へんないきもの』の早川いくをさんの共著。へんないきものが描かれている西洋絵画を中野さんにセレクトしてもらい、早川さんがツッコミを入れながら中野さんとかけあいをしていく内容。ぶっちゃけ、へんないきものはでてくるけど、じゃあそれが「怖い」かというとそうでもないので、タイトルにはちょっとズレすぎ。ただ、ユーモアあふれる2人のかけあいは楽しいし、西洋絵画×生物知識という切り口は発想としておもしろい。あんまり知らない絵ばかりだったのもよかった。
2021/07/21
ハイランド
題名から判る通り「怖い絵」と「へんないきもの」の二大人気シリーズのコラボ企画。中野節を期待する向きには物足りないかも。早川氏主導で話が進み、中野氏が彼の質問に答えるというスタイルだから。とはいえ話がかみ合っているのかいないのか、おしゃれな漫才を聞いているような感じ。アルチンボルト以外は初見の絵ばかりで楽しめたし、はじけるヴィーナス、カニに指を挟まれる間抜けなおっさん、失礼少年、やたらリアルなコモリガエルと何とも間抜けな絵が多く、これはこれで楽しめた。なんだか「怖い絵」コラボ企画が増えそうでちょっと楽しみ。
2019/06/09
トリオネア
この中では『美術鑑定家としての猿たち』が一番好き。猿嫌いだけど。人は猿によく似ている。ヨーロッパでは猿は罪悪の象徴だったそう。10年前のバンクシーの風刺画、チンパンジーの議会が高値で落札され話題になっていた。イギリス議会を描いたものらしいが、日本もまったく同じような物だし、それを見て支持する者、反対する者、無関心な者も同じ猿山の猿なのだろう。同族嫌悪。
2019/10/07
kinkin
変わった絵があるものだ。全裸でサメに襲われている絵、魚に説教する聖アントニウス、赤ずきん、カニに指を挟まれる少年、大海蛇の巣穴他。へんないきものの著者早川いくを氏と中野京子氏の対談形式で解説されていたがこの解説はあんまり好きではなかった。ただ単に絵を楽しみたい。洋画でなくても日本の浮世絵も堂々と変な絵がある。妖怪を描いたりタコと女性、春画わたしは日本の浮世絵のほうがずっと好きだなあ。図書館本
2020/03/01
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