オーディションから逃げられない
「オーディションから逃げられない」のおすすめレビュー
学校でも職場でも家庭でも、人生はオーディションだらけ! 選ばれない女性に幸せは訪れる?
『オーディションから逃げられない』(桂望実/幻冬舎)
自分は周囲の人よりも劣っていると感じることはないだろうか。あの人よりも容姿が劣っている、能力が劣っているなど。他人と比べてはいけないとわかっていながらもついつい比べてしまい、「もっと容姿が整っていたら…」「もっと自分に才能があったら…」などと思ったり、「どうして自分は」と落ち込んだりすることもある。『オーディションから逃げられない』(桂望実/幻冬舎)の主人公、渡辺展子もそんなひとりだ。
人生にはたくさんのオーディションがあって、それにあなたは参加せざるを得ないんです。
これは展子の言葉だ。確かにその通りだと思う。自分を人と比べてはいけないとよく言われる一方で、他人からは比べられ評価される。それを避けることはできない。そして展子は人生のオーディションで不合格になることが多く、昔から自分はついてないと思っていた。
中学校で仲良くなった久美は超美人。それだけならよかったのに、2人はなんと同じ苗字。展子は美人じゃないほうとして認識されるようになる。美術部に入って努力を重ねても、賞をもらえるのは変わった絵…
2019/6/19
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オーディションから逃げられない / 感想・レビュー
いつでも母さん
「展子には遣り直す時間がある」「いつだって遣り直せるんだよ」そう言ってくれる友がいるだけで展子は幸せだと思う。十分恵まれている事は案外本人が一番気づかなかったりする。自分はついてない・・そう思った事は無いか?私はあった。それは人と比べたから。何かの所為にして努力や感謝を怠ったから。それはとても疲弊する。人生はオーディションばかりでは無い。自分の人生の主役は自分自身だもの、誰もが懸命に生きているのだ。心地よいラストに、これは人生応援小説であり家族の話でもあった。
2019/03/05
ナイスネイチャ
図書館本。人生はオーディションの連続という切り口で話が進むが、あまりその辺は関係なかったかな?パン屋を引き継いだ長女が悪戦苦闘する話。登場人物に共感出来なかったが、読みやすく楽しめました。
2019/04/08
のぶ
一人の女性の生き方を描いた物語としては面白く読んだが、タイトルのオーディションとの関係については、あまり噛み合っていないと思った。主人公の渡辺展子は、幼い時から平凡な女性だと思って生きてきた。受験、就職、結婚等の転機をオーディションになぞらえているのだが、それは最初の100ページあたりまで。ここまでは駆け足の展開だった。その後、夫の経営するパン屋での話になって行く。やがて経営が傾き、夫の会社が倒産する。幸せな生き方を見つめた作品としては良く出来ているので、タイトルを意識しないで読んだ方が良いと思う。
2019/03/02
ゆみねこ
いつも他人と自分を比べて「ついてない」と思って生きてきた渡辺展子。生真面目で一生懸命な展子が幸せをつかむまで。タイトルはもうちょっと違うほうが良いような。面白かったので読後感は良かったです。
2019/03/04
milk tea
オーディションという言葉がしっくりこなかったけど、そう例えるなら、人生は常にオーディション。生きづらくないですか?だめなら元に戻す。軌道修正して、これからのことを考えればいいと思う。デパートに出店を依頼する担当者っていけず。
2020/12/11
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