白鳥とコウモリ
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小説の魅力を30秒で発信! 中高生に大人気のパイオニアが選ぶ「けんご大賞」の受賞作品とは
撮影/森 清
若者のトレンドSNSとして圧倒的な人気を誇る「TikTok」で現在、本を紹介する“BookToker”のけんご氏が大きな注目を集めているのをご存知だろうか。
けんご氏は「TikTok」のショートムービーで本のあらすじやおススメポイントを紹介し、若者たちの読書推進に大きく貢献した立役者。「TikTok」での紹介動画の4本目『冬に咲く花のように生きたあなた』(メディアワークス文庫)では、けんご氏の紹介ムービーがきっかけとなり重版も実現。『残像に口紅を』(中央公論新社)の紹介ムービーでは「もし、この世から“あ”という言葉が消えてしまったらどんなことが起きると思いますか?」とユーザーに問いかけ、900万回近い再生数を記録した。
他にも学生向け青春小説として『ぼくらの七日間戦争』(角川文庫)や『か「」く「」し「」ご「」と「』(新潮文庫)、『時をかける少女』(角川文庫)といった作品を紹介。読書好きの間で有名な名作や、けんご氏が面白いと思った作品を独自の視点で紹介している。
そんな影響力とプレゼン力を兼ね備えたけんご氏が新たに挑戦したのが、「202…
2021/12/15
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白鳥とコウモリ / 感想・レビュー
starbro
東野 圭吾は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書は、著者版「罪と罰」、被害者&加害者ファミリー・ヒストリーでした。本作は書下ろしではなく、小説幻冬連載を纏めた作品なので、東野 圭吾クオリティではありますが、少し冗長かも知れません。https://www.gentosha.co.jp/hakuchotokomori/
2021/05/28
パトラッシュ
殺人事件の被害者と加害者の遺家族が思わぬ形で接触し、意外な事実が明るみに出るとは著者得意の作劇法。これまで何度も使われてきただけに、どうしても過去作品と比べてしまう。今回は謎解きに重点が置かれ意外な犯人が明らかになる本格ミステリとして及第点だが、正直今一つ食い足りない。被害者側加害者側双方とも淡々と真相を追うばかりで激情や狂気とは無縁なためか『さまよう刃』の怖さ悲しさ、『白夜行』の暗い宿命感といった心に迫るものに欠けているのだ。犯人の真の動機も今更だし、ミステリ以上のものを望むか否かで評価が分かれる作品。
2021/05/29
bunmei
東野圭吾の新たなストーリー。東野作品は、単にミステリー事件としての謎解きだけでなく、その事件の裏に隠された、已むに已まれぬ人間関係や人情劇が、物語の展開と共に次第にクローズアップしてくる。そしてヒューマン・ドラマとしての面白みも合わせて読者に訴え、本作もそうした安定感のある作品として仕上がっている。今回の事件は、一人の弁護士の殺人事件で幕を開ける。物語の早々に犯人は捕まるが、そこに過去に起きた殺人事件とを絡め、犯人の男がひた隠しにしている、事件の裏に潜む人間関係が、次第に明らかになっていく面白さがある。
2021/04/20
Nobu A
久々の東野圭吾本。図書館で予約し約3週間後入手。21年刊行。タイトルの意味は何か、またどんな風に楽しませてくれるのかと期待感で頁を繰る。早い段階での倉木達郎の自供と逮捕が腑に落ちず、そこからが東野小説の真骨頂。メディアの犯罪者への焦点やSNSの加熱で被害者遺族や加害者家族への配慮が蔑ろになる現代、被害者参加制度等、様々な視点から関係者の行動や心理を立体的に描き、物語が展開して行く。瞠目は何を省略し何を緻密に描写するかの塩梅。美令と和真の常滑市からの帰宅は圧巻。無言が読者に訴える凄み。いやー、参りました。
2023/04/23
Yunemo
久々に著者らしい題材を堪能しました。でもインパクトという点では物足りなさも。30年前の事件が今に繋がってくる過程を当事者たちの事情、心情で記しています。タイトルの意味がイマイチ理解できないまま。光と影、昼と夜、まるで白鳥とコウモリが一緒に空を飛ぶ、この感覚、意味は理解できても馴染めぬままに。結局のところ加害者と被害者の入れ違いによる心情変化であり、また罪に対する罰の受け方、それぞれに違う考え方で過ごしてきた30年、こんな理解でいいのかな。また、随所に出てくる、この世の女は全員名女優、なかなか難しいですね。
2021/04/18
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