夜の大人、朝の子ども
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「夜の大人、朝の子ども」のおすすめレビュー
子どものころ、夢見た自分と違っても……過去の私に伝えたい「大人になってくれてありがとう」
『夜の大人、朝の子ども』(今日マチ子/幻冬舎)
子どもの感じる時間は、実際に流れる時間よりもずっと長い。いつまでも続くかのように思えて、子どものころは10年後、20年後の自分を想像して「はやく大人になりたい」と願ってしまう。
実際に20年の時を経て子ども時代を振り返ってみると、夢見ていた自分にはなれていないと感じる人がほとんどだろう。社会生活の中で傷つくことや悔やむことは数多くあり、大人でいることをやめたい日もある。
『夜の大人、朝の子ども』の主人公・ゆいもそんな大人のひとりだ。離婚して子どもと離れて暮らしているゆいは派遣社員で経済的な余裕もない。カナダで家庭生活も仕事も充実している妹のさえを見て「同じ家庭で育ったのにいつからこんなに違ってしまったんだろう」と悩み、幼なじみのかなと再会したときは彼女の境遇を想像して嫉妬してしまう。
しかし、ゆいは思い出す。子どものころの自分が大切にしていたものは何なのか。どんな体験をして、何を感じてどういった行動をしたのか。心の奥底にあった記憶は時にゆいを傷つけるが、大人であることに疲れ切った彼女を癒すこともある…
2023/3/4
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夜の大人、朝の子ども / 感想・レビュー
ゆみのすけ
普段あまり読まない漫画。綿谷りささんの帯を見て手に取った。バツイチ、40代、派遣社員の女性。周りと比べ、何も取り柄がない自分に寂しさ虚しさを感じ、「子どもに戻りたい」と夜な夜な思う。そして、語られる子供時代。確かに子供時代の思い出は尊く美しい。でも、主人公は思い出にただ浸るのではなく、過去から勇気をもらい、今につながる友人、家族とのつながりを見つけて、今を一歩一歩歩んでいく。辛い場面もあるが、未来へ繋ぐ言葉の数々に柔らかく包まれるような作者の優しさを感じた。
2022/11/13
ツキノ
2022年4月発行。書店で問い合わせて場所を教えてもらい購入。幼い頃の記憶がよみがえり(というか夢に見て)その頃に関わった人との再会。背中を押される。子どもの頃に戻りたいというのは、そのときがしあわせだったからだよね。わたしは不幸だったとまでは思わないが、戻りたいとは思わない。その頃の実家近辺の街並みは見てみたいけど。賑わっていた商店街とか。
2022/05/13
ごま麦茶
シェア型本屋さんで出会った本。離婚して、息子と離れて暮らすゆい。日々が不安で疲れて子供に戻りたいと思ったり、でも子供の頃は早く大人になりたいと思っていたり。わかるなぁ。大人になると、自由が増え出来ることが増える代わりに、考えて選んでいかないといけないことも増える気がする。考えて考えて不安になるけど、よーく見たら周りのひとたちに支えてもらってる自分に気付ける。前を向こう、進もうと、背中を押してくれるような本でした。私も、進みたい。
2024/03/19
門哉 彗遙
一人の女性の物語。今日マチ子さんが「世界から必要とされていないなんて、どうでもいい」と思えた時にできた作品のようです。
2024/02/03
kana
本棚に納めるために再読。やっぱり好き。
2022/12/10
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