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いとしい (幻冬舎文庫)

いとしい (幻冬舎文庫)

いとしい (幻冬舎文庫)

作家
川上弘美
出版社
幻冬舎
発売日
2000-08-01
ISBN
9784344400061
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いとしい (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

相変わらず、どこかとぼけたような味わいの物語。今回は途中までは、このまま日常世界にとどまるのかと思いきや、やはりいつの間にか「この世」ならぬものが浸食してきたりする。いつもながら、柔らかく蕩けるような物語世界だ。ところで、表題の「いとしい」は、形容詞なのだが、ここではそれが単に心の状態を表しているばかりではなく、もっと能動的な情動として機能しているようだ。ただ、マリエの情動はとうとう紅郎を動かすにはいたらなかったのだが。そうしてみると、これはまた「諦念の物語」でもあったのか。

2012/07/26

ゴンゾウ

春の陽気の中で読んだせいだろうか。いつもにもましてふあふあとした心地の良い空間を漂っている感じがした。人を好きになるということとは、好きになると決めること。深いなあ。 でも好きになるって素敵だけど、辛いし苦しいし怖い。でも人を好きになるっておさえられない。ユリエもマリエもミドリコもみんな素敵だなあ。

2017/04/06

橘@お休み

この空気がとても好きです。ふわふわととりとめなくつかみどころがないようで、しっかりと世界に絡めとられている、その感じが決して嫌ではなく、心地よいです。人を好きになるって、こわいことなのかもなと思いました。叶う思いも、叶わない思いも、あっていいのかも。誰かをいとしいと思うことは、幸せな反面、とてもつらいかもしれないけと、それでもやっぱり、誰かを好きになるのだろうなと思いました。

2016/11/30

橘@お休み

再読です。この感情がいとしいというものならば、わたしはまだ誰かをいとしいと思ったことがないのかもしれないと思いました。不安定で、ふわふわと寂しくて。いろいろな形で、好きでいようと思う、そんなものなのかな。好きです。

2017/10/14

あんこ

一見、普通ではないような人たちが出てきて、普通ではないものも混ざりながら、普通ではないような恋が展開されていく。それぞれの恋や関係は留まることをせずに移ろいゆく。カタチとしてそれが具体的に(あるいは比喩的に)表されているのが、姉ユリエの恋人のオトヒコさんだったなあと思います。絶対的な、確かなものに身をうずめて誰かを恋い慕い、そこに留まっていたいのに、留まることには怖ささえあって、結局は不確かで曖昧なものと折り合いをつけながら移り変わっていくしかない男女の、ヒトの営みが描かれていました。とても、すきでした。

2014/10/28

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