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悪名の棺 笹川良一伝 (幻冬舎文庫)

悪名の棺 笹川良一伝 (幻冬舎文庫)

悪名の棺 笹川良一伝 (幻冬舎文庫)

作家
工藤美代子
出版社
幻冬舎
発売日
2013-04-10
ISBN
9784344420007
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悪名の棺 笹川良一伝 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

笹川良一氏は幼少の頃のテレビCMで知った。一日一善、人類みな兄弟の言葉を覚えている。その後、A級戦犯であったり、競艇や日本財団の関わりを知る。印象はグレー。この作品で笹川氏の生涯について知る。勿論、この作品の記載が全てではない。自分で調べることが必要。だが読了後に印象は変わった。特に戦犯やその家族への支援、様々な助成事業には頭が下がる。戦犯は巣鴨だけではない。例えばモンテンルパにも働きかける。笹川氏の活動で助けられた方は多いはず。戦死者への畏敬、そして慰霊の考えは共鳴する。功績を広く知られて欲しい人物だ。

2020/11/10

AICHAN

図書館本。笹川良一といえば右翼の大物で日本のドンで悪い奴。そういうイメージがある。私もそう思っていた。実際、そういう面はあるようだ。しかし筆者は、 先入観念なしで取材に入り、笹川良一の生涯を淡々と追い、彼の「悪」を検証して否定し、「善」を検証して肯定し、人間・笹川良一を見事に描き出している。笹川良一観が変わる一冊。文章がうまくて読み物としても面白い!

2021/01/16

goro@80.7

「一日一善」のお爺さん、ギャンブルの元締め、政界の黒幕と数多のレッテルでしか実は知らない。本書を読み巷間に伝わる部分と伝わらない部分の落差が激しい事が分る。筆者が語るように脱税したわけでもなくボートの金が汚いのかと疑問を呈することに頷いてしまう。偽善者と言われようが人のために金を使うことになぜ批判されてしまうのか。実際子供に資産を残さず潔い。どこかのお金持ちのように蓄財しているより遥かに目的を持って稼いでいた。まぁ女性に関しては羨ましい部分が多々あるけれど氏に対する認識が改まった事は確かだ。傑物!

2017/05/19

Yuma Usui

オーディオブックで。前知識なく聴いたのでこんな人が居たのかと驚き。相場師で吝嗇家で飛行機乗りで右翼のトップで政治家でA級戦犯容疑者で競艇の設立者で艶福家で火の用心の人という破天荒な人。時代が時代だったと思うけど骨太な生き方には驚嘆。敢えてA級戦犯容疑者になるため演説を行い無事に戦犯として巣鴨刑務所に入り、そこでの東條英機とのやりとりや戦犯になった人達や家族への援助にはただただ唖然とした。何人もの女性と関係を結んだエネルギッシュでダラシのない面と信念や信条にひた向きな誠実さとの兼ね合いに複雑な魅力を感じた。

2019/06/10

Willie the Wildcat

フィクサー。戦中・戦後の政財界での足跡。光と影。本著は、前者に焦点。戦犯家族、あるいはハンセン病患者の支援。無論、戦後復興の表裏の立役者の1人。政財界を生き抜き、時に操る。その資金源のビジネスとは・・・。それ故、ある程度の泥臭さが人間味だと感じる。本著の(意図的な?)光と影のアンバランスが、仇となってる気がする。良くも悪くも、今の政財界にも、ある程度のアクの強い個性が求められているかもしれない。

2013/12/22

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