もぎりよ今夜も有難う (幻冬舎文庫)
もぎりよ今夜も有難う (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
エッセイ界の鬼才、片桐はいりさんの映画ラブに溢れた作品。スマホもネットもない時代、新作をロードショーで観ることはもちろん、名画座で三本立てを観たり、休前日にビデオをレンタルするのが至上の喜びだった日々が、わたしにも確かにあった。一種の暑苦しささえ感じる(笑)彼女の情熱、想いはとても敵わないけれど、しかと受け止めさせていただいた。
2021/11/21
おしゃべりメガネ
インパクト女優片桐はいりさんがもぎりをやっていた頃の思い出をベースに綴ったエッセイです。もっと映画の作品の話が読めるかと思っていたのですが、どちらかというと作品よりは映画館にまつわる話のほうが多く、個人的にはちょっと残念でした。彼女は彼女なりにもぎり時代のステキな思い出を映画館になぞらえて綴ってくれてるのでしょうが、いかんせん土地勘がないもんですから、どうも文章の描く情景に入り込めず、せっかくの楽しい文章も勿体なかったです。それでもやっぱり彼女の書くエッセイは彼女の演技同様に人を楽しませてくれました。
2020/01/09
mukimi
映画館にも劇場にも疎い私だが、筆者が縦横無尽に駆け巡る未知の世界を覗き見るうち、自分にも思い出の映画館があり映画の思い出がいくつかあることを思い出した。憧れの世界をとことん愛し追いかけついには生活の一部にしてしまう本当に楽しい方だ。これが姿も声も知らない作者の作品だったらここまで楽しめなかったと思うし、その人の姿と声で作品を追えるから「タレント本」って躍動感があり面白いのだなとふと思った。目的地もなく電車やバスを乗り継いでたどり着いた店先やロータリーで本を読みまくる日帰り「読書旅」は今度やってみたい。
2021/05/21
ばう
★★★ やっぱりこの方のエッセイは大好き♡はいりさんが銀座の映画館のモギリのバイトをしていた頃の思い出話を中心に映画への愛を語った本です。ほのぼのする話、笑っちゃう話、しんみりする話。日本全国、津々浦々の行く先々で映画館が有ると知るや足を伸ばすその熱意には頭が下がります。はいりさんの映画への熱い思いが詰まった一冊でした。
2022/03/09
はつばあば
エッセイは嫌いだ!と豪語しておきながら読んでいるじゃないかと。彼女のエッセイは表情が目に浮かぶのです。「もぎり」と云う言葉が昔の映画館を懐かしく思い出させるのです。雨が降ったようなスクリーンに、後ろで立ち見しかできないくらいの大入りには、必ずといっていいくらい後ろから手が回ってきます。脱脂粉乳の、コークスなんて言葉じゃなく石炭のダルマストーブ育ちが、ひと回り以上歳の差があるのに、女優としてのはいりさん、エッセイを書かれるはいりさんに熱い視線を向けるのはなんででしょう。
2016/04/04
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- ISBN
- 9784766002294