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明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち (幻冬舎文庫)

明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち (幻冬舎文庫)

明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち (幻冬舎文庫)

作家
山田詠美
出版社
幻冬舎
発売日
2015-08-05
ISBN
9784344423824
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あらすじ

ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。それは幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。しかし、落雷とともに訪れた長男の死をきっかけに、母がアルコール依存症となり、一家の姿は激変する。「人生よ、私を楽しませてくれてありがとう」。絶望から再生した温かい家族たちが語りだす、喪失から始まる愛惜の物語。

明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー

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絹恵

死してなお与え続ける兄と、生きながら壊し続ける母のあいだで、揺らぎながら求め続けたものがありました。無関心で殺してしまったり、構い過ぎて殺してしまったり、誰かを傷つけずに生きていくことは出来ません。でも失ったものを取り戻す方法がなかったとしても、壊したものを治す方法はあると信じています。それは明日の自分と大切な人たちを諦めるのではなく、糾弾されることを望むのではなく、赦していくことが愛を受け容れ続けることなのだと思います。

2015/08/09

Mayumi Hoshino

「失ったものは、幸福を留めるための重要なねじだった」。再婚同士の夫婦とそれぞれの子供たち、夫婦の間の子供という構成の家族が、〈息子(兄)の落雷による突然死〉という喪失に、それぞれに付き合っていくストーリー。息子を何よりも愛していた母は、いつしかアルコール中毒に。あらすじを雑に説明すればこうなるけど、それぞれの心の動きの描写が、行間から漂う匂いが、文体や言葉選びのセンスが、素晴らしいんです。これは是非読んで体感していただきたい。詠美さんの書くもの好きだなあと、改めて思いました。

2017/01/26

masa

幸いにして私には大切な人の死によって、世界の色がすっかり変わってしまう程の経験をしたことがない。突然か否かは別にして人は必ず死ぬことを頭では理解しながらも、普段は大切な人が居ることを前提に生活している。どうか死にませんようにと祈らねばならない人がいるから生活に深みが出ると思うし、失うかもしれないと思うだけで、愛しさのあまり涙が湧いてくる。普段抱かない感情に気付かされた一冊となった。15152

2015/09/27

りいこ

ドキッとするタイトル。普段、意識的に考えないようにしていることです。考えてしまうと、恐怖に覆われて頭がおかしくなってしまいそうだから。ある日突然、落雷で長男を喪った澄川家。同じ家族でも、故人に対する想いの形は違うもの。違うなかでどうやって死を乗り越えていくのか。重い話ではありますが、ページを捲る手が止まりませんでした。最後のからくりには全く気付かずびっくり。泣きそうになりました。

2017/01/28

メルト

長男の死による喪失感から再生しようとする家族の物語。すごくよかった。ひとりの人間を失うことで家族の各々が抱く絶望や葛藤のようなものを、一人ひとり、似てはいるけどきちんと違うものとして描いていたし、何よりも文中に何度も、ハッとする名言が織り込まれていた。最近は災害が多くて、人の死は数でしか計られないことが多いから、その1つひとつにこういう思いをしている人が何人もいるのかと思うと、今生きていることを、より噛みしめたいと思った。

2018/07/13

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