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告知 (幻冬舎文庫)

告知 (幻冬舎文庫)

告知 (幻冬舎文庫)

作家
久坂部羊
出版社
幻冬舎
発売日
2018-10-10
ISBN
9784344427914
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告知 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー

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nobby

生きる意味、命の価値は誰が決めるのだろう…在宅診療専門あすなろクリニックが舞台の短編に描かれる終末期医療の様子が切なく終始涙浮かべて読んだ。末期がんに加えてエンジェルケア・認知症・ALSと、20年近く高齢者介護に携わる自分には生々しくいろんな人達の姿が目に浮かぶ…死が近付くという恐怖や壮絶な辛苦からの解放また奇跡的な治癒へすがる想い、少しでも見識ある面々からすれば陳腐にも感じる言動も必死さから生まれている。誰もが微笑ましく送り出せる正解などない…寂しさ噛みしめ慰めながら受け止めることしか出来ないのだから…

2018/12/29

mariya926

外科医である作者さんの実話に基づかれて書かれたそうです。最初のエンゼルケアからして衝撃を受けました。亡くなるとそんな事も必要なのかと、解剖や臓器提供などもすると、生きている時よりも多くの人にすべてを見られる恥ずかしさを感じましたが、もう意識どころかたましいも離れていますからね。告知とか、セカンド·ベストでは、医療は綺麗ごとだけでなく、本当に苦しんでいる人がたくさんいる現実を突き詰められただけでなく、自分もそうなるかも?という気持ちになりました。

2022/11/28

モルク

「いつかあなたも」が単行本となって改題されたものだった。ほとんど忘れていて、途中からやっと既視感があり、以前読んでいたということに気づかなかったことにショック!再読ということになるが、やはり心を打つ。見過ごすことのできない在宅医療現場の様子。介護、看護をする人される人の本音。病気を治すのではなく見つめて支える在宅医療の実態が垣間見れた。

2019/07/21

五右衛門

読了。久しぶりの作家さんでした。他の作品と一風変わった連作集でした。がここの所医療系の作品を読んできましたが流石ですね。作家さんの特徴が各話の随所に見られ気持ちよく読めました。私自身登場人物の一ノ瀬先生より三沢先生の方に考え方が近いのかなと思いました。ノンフィクションに近いフィクションだそうですが理想と現実は本当にかけ離れており治療方針など決断は難しいと思いました。最後の安楽死テーマは特に…

2021/02/20

まこみん

在宅医療専門の看護師の視点で、治る見込みのない患者に接する葛藤の日々を取り上げている。一気に読んで正直、気持ちが落ち込む。これが現実。一話の湯灌作業の描写では、きびきびと処置をする看護師の大変な一連の作業にびっくりし、又、最期迄患者に対する気遣いに心を打たれた。精神を病んだ若い女性患者の話、患者が医者を受け付けなくなって転々と担当医を代え入退院を繰り返す。患者と医者のどちらも報われない。ラストの話「セカンド・ベスト」は安楽死問題。ドラマと違って予定調和とはいかない。どれも久坂部さんならではの話だった。

2019/12/20

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