独眼竜と会津の執権 (幻冬舎時代小説文庫)
独眼竜と会津の執権 (幻冬舎時代小説文庫) / 感想・レビュー
木賊
『独眼竜』伊達政宗と、『蘆名の執権』と呼ばれた蘆名の重臣・金上盛備の謀略戦を描く。蘆名氏についてはあまり知識がなく、新鮮な気分で読んだ。主家を守るためと言ってしまうと、それが正義であるように思ってしまうが、傑物は他にもいて、それぞれに事情もあれば野心もある。史実と創作が入り混じっているとしても、大勢力の末期症状というのは読む側も中々苦しいが、頭脳戦は面白かった。
2022/02/17
ハル牧
「時を戻したい」独眼竜と「時を止めたい」会津の執権が繰り広げる外交、謀略、人取橋の激戦、そして摺上原の決戦に至るまでが描かれる。天下を目指す異才ながら生まれるのが遅過ぎた伊達政宗と、蘆名家の存続をのみ目指す頑固な年寄り金上遠江守盛備、正反対の傑物2人が主人公という、実に私好みの素晴らしい歴史小説であった。
2021/08/16
km.
まずは双方が繰り出す戦略面の面白さが際立つ。ボケっと読んでると置いてきぼりなるほど巧みだ。それに伊達・蘆名家にまつわる悲惨な出来事を相手の陰謀によるものとして描いている。これが読み手の脳裏に焼き付き、戦略戦が無意識に深みを帯びて来る。そして盛備の交渉力も読み応えあり。安土城で織田信長に拝謁する場面で見せた命懸けの交渉、終盤の聚楽第での秀吉との交渉共に圧巻。最後の摺上原の戦いも臨場感たっぷり。生きて守り通そうとする意地の張り合いが全面に溢れた読み応えのある物語だった。これからは吉川永青を追いかけなければ。
2022/04/19
かずぺん
福島県出身ですので、地域の位置関係が理解できて、感動でした。また、この時代は多くの小説になっていないので面白く読みました。
2021/08/13
YUJIRO
渋い人物を主人公に据えた作品。派手な合戦が中心でなく、その背後で繰り広げられる、謀略、調略、外交を描く。
2021/07/11
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