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某 (幻冬舎文庫)

某 (幻冬舎文庫)

某 (幻冬舎文庫)

作家
川上弘美
出版社
幻冬舎
発売日
2021-08-05
ISBN
9784344431119
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某 (幻冬舎文庫) / 感想・レビュー

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佐島楓

記憶も性別も持たない、あらゆる年代の人間のかたちに変化できる生命体が主人公。人と深くかかわるにつれて、恋愛をはじめさまざまな感情を学習していく——とここまではふつうのSFの展開。だが、やはり川上作品、一筋縄ではいかない。人に対する距離感や視点が不思議なのだ。最終章に近づくにつれ、不思議さは増していく。自己存在意義というテーマを扱いながらも、それだけにとどまらない物語。わたしはいったい、「何」なのだろう?

2021/09/14

優希

不思議な物語の世界が広がっていました。人間に近いけれど不安定な某。様々な立場になり、仲間に出会う。その中で人間とは何かを問うているように思えました。

2021/12/11

Kajitt22

『某』を主人公に生と死、変異と成長、性と生殖、細胞分裂などを考察し、人間をあるいはその愛を探究しようとしているのか。読了の今は未消化感が強い。なぜかグレアム・グリーンの『内なる私』や平野啓一郎の『空白を満たしなさい』を思い浮かべた。『神様』や『蛇を踏む』『溺レる』『どこから行っても遠い街』などがなつかしい。

2022/04/16

niisun

かなり好みの作品でした♪ 突然、人の姿で出現した“某”が、世の中で生を営みはじめ、時々姿を変えながらも徐々に格を形成していく様は、人の成長過程を追うようで興味深かったです。どうやって発生したのか、人と同じようにいつか死ぬのか、子を成すことが出来るのか、世界に複数存在する“某”自身にもわかっていないのが良かったですね。まあ、全てわかっている超越的な存在だとお話になりませんけどね。日々、実在の16歳の誰かに移動していく主人公が登場する『エヴリデイ』という小説を少し前に読みましたが、その時と似た読後感でした。

2021/09/08

ゆきらぱ

人間ではない生命体が主人公。逆に人間の事がよくわかる。人間は人間から生まれてきて、成長して、他の人間を愛したりするが他の人間にチェンジすることは出来ない。その人間のまま。

2022/09/22

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