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精神科医は腹の底で何を考えているか (幻冬舎新書 か 7-1)

精神科医は腹の底で何を考えているか (幻冬舎新書 か 7-1)

精神科医は腹の底で何を考えているか (幻冬舎新書 か 7-1)

作家
春日武彦
出版社
幻冬舎
発売日
2009-01-01
ISBN
9784344981065
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精神科医は腹の底で何を考えているか (幻冬舎新書 か 7-1) / 感想・レビュー

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みゃーこ

率直で繊細な著者のシニカルな表現が面白い。人間の病理を適切で芸術的な描写や例えで表現しているところが随所に見られ思わず笑ってしまう。「精神病状態の医者が精神科を選ぶという俗説は否定できない意見」というが、敢えてなぜ精神科医を形作るにいたったかの物語はどこか奇妙ではある。どこかに親和性、共感、共通のどんくささに惹かれている部分があるのではないか。そこらへんを考えだすとマトモとか幸せとかの当たり前の定義自体を違う価値観から再定義せずにはいられなくなる話だ。

2013/12/24

鱒子

図書館本。平山夢明さんの著書で気になり、読みました。著者の精神科医 春日先生の率直な感情や本音に、ぶっちゃけここまで書いて大丈夫?と心配な気持ちになりますが、 まあ精神科医も人間。神でも仏でもなければ、患者との相性も有る、実に当たり前。技術が有り、かつプロフェッショナルであれば、当方 文句などありません。建前を取っ払った内容なので、読者を選ぶ本だとは思います……

2019/09/06

HANA

精神医学で病気の解説や患者の立場から書かれたものは多々あるが、医者の立場から書かれたものはほぼ見受けられない。本書は精神科医が診察するところを率直に語った珍しい一冊。自分はかかった事はないのだが、医者ごとに違う薬のレシピやら、相性の合う患者腹の立つ患者、治癒の条件など、精神科医が直面する医療現場が様々な実例と共に語られていて面白く読めると同時に、ああやっぱり医者も人間だなと妙な感想も抱く。最後の治癒に関する部分などは完治するわけでなくかといって望みを絶つわけでなく、読んでいて前向きになれる箇所であった。

2021/12/17

ネギっ子gen

【注目】冒頭に「何を基準に(薬を)処方しているのか」。多くの人の関心事。故・中島らも氏の『心が雨漏りする日には』から処方内容を分析。さて、この処方の妥当性は如何か。「少なくとも、第一線の小説を書きつつ服用している処方であるとは夢にも思わない。/これは漫然と出し続けられる処方ではない。/薬が重過ぎる。よくもこれを服用しながら創作活動が出来たものだと感心してしまう。/彼には強い副作用が出現していた。/担当医の責任を問いたくなる」と。著者の怒りを感じると共に、こういう状況で、らも氏は創作活動をしていたのかと。⇒

2020/03/13

kei-zu

患者として医者に症状を説明するときは、かなり緊張する。私自身は経験がないが、相手が精神科医であったらなおさらだろう。 一筋縄ではいかない患者を相手への対応は、医者それぞれであるようだ。そりゃ、医者も人間だもの(みつを)。 本書では、戸惑いながらの患者への対応を「〇〇な医師」と類型化するのだが、それが著者へのセルフ突っ込みにもなっているのがおかしい。 相手の顔色を窺いつつ会話の接点を探る様子は、法律相談をうけるわが身にも覚えがあり、その点でも興味深かったです。

2021/11/18

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