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〈突然の死〉とグリーフケア 新装版

〈突然の死〉とグリーフケア 新装版

〈突然の死〉とグリーフケア 新装版

作家
アルフォンス・デーケン
柳田邦男
出版社
春秋社
発売日
2005-06-01
ISBN
9784393364796
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〈突然の死〉とグリーフケア 新装版 / 感想・レビュー

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シフ子

114ト 家族が突然亡くなった人に対し どう接したらよいか また配偶者と死別する確立100%の私達が乗り越えるべき喪失と悲しみ また 人生において生きる本質を深く見据える書。阪神淡路大震災等で家族を失った10数名の方の講演を編集。死に接した者に起きる精神的乖離 恐怖体験のトラウマから人格への影響と その後の家族の歴史が語られる。子供が育つ過程で感情を表す方法を習得できない「アレキシサイミック」なる心の問題は 災害や事故のみならず 教育や親子関係の歪みにも関連し 誰も避けられない重要な課題である。

2011/11/11

rana

人はいつかは亡くなる。その最期のあり方は様々で、残された家族の死の受け止め方もまた様々。パネルディスカッションでその葛藤の日々の様子が語られたものが掲載されているが、涙なくしては読めなかった。 亡くなった人への深い愛情や共に過ごした時間の思い出など、亡くなってみて初めて気付くその人が自分にとってどれだけ大切な人であったのかということを。

2012/10/29

amanon

生き物として生まれたからには、否応なく降りかかってくる死。それは当然周囲の人に少なからず影響を及ぼす。これまでいくつか、同じ趣向の本を読んできたが、本書はとりわけ深い印象を残した。それは偏に、近親者の死を体験した人の言葉が多くを占めていることによる。その経緯はまさに十人十色。しかし、その奥底に普遍的な人間のあり方のようなものが伺える気がする。個人的には息子の自死を体験した柳田邦男のエピソードが特に強烈なものに映ったか。愛する者の死を乗り越えるというのではなく、受け入れていく、その過程は多くの示唆を与える。

2017/10/27

regacian

デーケン氏主宰の「生と死を考えるセミナー」の記録。遺族の立場、ケアギバーの立場、研究者の立場など様々な講演が含まれているのがおもしろい。ただ、セミナー参加者は遺族の中でも外向的志向が高い方が多いためか、死の意味の解釈、それを受けた遺族の行動を促すような雰囲気を感じたの講演が少しあるのがやや気になる。排他的な気風を生む可能性もあるので慎重になるべき話だと思う。バーネルとワーデンの考察を引いてグリーフケアを検討する長谷川浩氏の講演が特に面白く、遺族にかけてはならない言葉をまとめたデーケン氏の講演も役立つ。

2023/02/19

白としろ

「救命センターで蘇生を待つ間の放心と緊張のないまぜになった状態に比べれば、十一日の心停止前後の看取りと別れは、息子の死を受容した淡々としたものだった。その後、どすんと深く暗い谷底に落ちたような喪失感と無気力に襲われた」「自己グリーフワークの条件(柳田邦男)①少年期の父や兄との死別体験②そのときの母の姿が無意識のうちに自分の心の持ち方のモデルになった③少年時代に困難を経験し、自律的な生き方を身につけた④記者時代や作家になって、多くの悲惨な例に出会い、悲劇のヒーロー意識や自己憐憫の感情にひたることがなくなった

2016/11/05

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