伝説探訪東京妖怪地図 (ノン・ポシェット た 22-2)
伝説探訪東京妖怪地図 (ノン・ポシェット た 22-2) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
オカルトの大家である荒俣宏氏の監修に東京の怪奇伝承の紹介がふんだんに紹介されている。地図付きで、尚且つ、出典元となる参考文献も紹介されており、さらには住所をまで記載されているという丁寧な記述は、とても好感が持て感心に価する。 「Google Earth」で場所を特定しながら読めば、さらに面白さが倍増するのでないでしょうか?
2013/02/16
猫丸
科学の心を持ち合わせた著者である。例えば狸の怪異譚から「狸と金属の関係」を抽出し、それを金属精錬に使う狸の皮製の鞴(ふいご)へ繋げ、さらに分福茶釜へ敷衍する。こうして物語が経済社会構造を背景としていることが明らかとなる。また、公共施設(特に学校)に怪談が付き物である理由を考察している。①民家が避けたいわく付きの土地であることが多い。②広大な敷地の前身がしばしば墓地である。③夜間に無人となる。さすがにこれだけの要因があればお化けも出ようというものである。役場などにも多くの幽霊談が囁かれているはずである。
2022/10/04
戦狐
非常に面白い一冊でした。 当初は『次の関東旅行の参考になれば良いかな』ぐらいの気持ちで読み始めたのですが、江戸~明治を中心とした数多の怨霊、妖怪、怪異物件の伝承を項目ごとに分かりやすく載せていて「東京って、やっぱ都市だし地方に比べて変わった妖怪の伝承も少ないのかな」と侮っていた私の目から鱗を落としてくれました。
2015/01/03
子音はC 母音はA
東京都内の悪霊・妖怪にまつわる場所を地図上に表し、彼らの解説についても手厚く記述されている。基本、都内を散策してれば何処か物の怪にぶち当たりそうなくらい妖怪スポットはあるみたい。切支丹坂、逢坂、穴守稲荷にはふらふら行ってみたい。
2014/07/02
昏良川暗渠
東京に旅行に行くと、時折変な地名や駅名、コンクリートの街並みに不釣り合いな旧跡に出くわすことがあるが、本書ではそれらの由来が紹介されていて興味が尽きない。上野公園の彰義隊士の墓前に建てられた西郷隆盛像は、無念のうちに亡くなった人々の怨念を、同じく明治政府に敵対した強力な御霊の力で抑えたものらしいし、鐘ヶ淵には龍神との契約の証である鐘が沈んでいるという。至る所に狸や狐や河童の伝説が残るし、壊すと祟る塚や伐ると呪われる樹木はまだ多く現存している。東京は人間と異界が共存する都市なのかも知れない。
2023/07/02
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