崖っぷち町役場 (祥伝社文庫)
崖っぷち町役場 (祥伝社文庫) / 感想・レビュー
いつでも母さん
いつまでも自分の町は在る!と思っていられなくなって幾数年。やがては消滅してしまうかも・・それは私が生きてるうちに来るのかも・・少子化の進む日本の抱える大問題なのだ。いやそんなに大上段に構えての話ではないのだがー過疎の町愛媛県南予町(実際はない町。南予地方と云う)が舞台。『推進室』に移動になった結衣が室長や偏屈な一ツ木(実はデキる!)と、ボンクラ町長の政策や町民の問題に右往左往?解決に当たるという、ちょっと面白いミステリー作品。タイトルも良い。うちの町役場はどう?
2018/07/13
ゴンゾウ@新潮部
四国の過疎化が進む町役場に就職した女性職員のお仕事小説。内容はライトで読みやすいがテーマはとても思い。人口を増やし町を復興させたいと考える一ツ木と町は存続できなくとも住民の幸せを願う室長。どちらも極端だと思う。 折衷案が出せるか興味深い。
2021/04/03
ma-bo
著者の作品は初読み。愛媛県南予町(実際にはない町。南予地域はあり)という過疎の町の町役場に勤める沢井結衣が主人公。窓際部署と噂される“推進室”で舞い込むトラブルを解決していく。町の存続よりも住民の幸せを優先したい昼行灯の北室長と人口を増やし町を復興させたいと考える偏屈だが切れ者な一ツ木さん。結衣は仕事を通じて自分なりの思いを強くして後半は前面に。持ち込まれた相談は一応の解決を見るも単純な地方再生の物語ではなく、意外とシビアな内容。続編も出てる様です。
2023/05/18
ジンベエ親分
ライトなタイトルと装丁、軽めの日常の謎ミステリーという形式に騙されてしまうけど、根底に流れるテーマは本当に重くて深刻。今や日本のすべての都道府県が1つは抱える、県によっては半分以上を占める「30年後には消滅してしまうんじゃないか?」と懸念される市町村。本作の舞台はそんな愛媛県にある架空の町役場の「推進室」という部署。語り手は新人の女の子、探偵役は偏屈だけどキレる男、というのはお約束にしても、この探偵役の一ツ木のキャラはあまりに類型的でちょっと鼻につく。だけど話はどの話も良い。軽いけどずっしり。続編熱望。
2018/02/15
ひさか
祥伝社小説NON2015年8月号:見えない古道、10月号:巫女が四人、12月号:至る道、2016年2月:南の雪女、4月号:空き家の灯り、6月号:夜歩く者、描き下ろし:雨中の自転車乗り、の7つの連作短編を2016年11月祥伝社文庫から刊行。シリーズ1作目。愛媛県南部の南予町役場推進室の人々のコージーミステリー。他愛ない話だが、よく考えられていて、楽しめました。後半の結衣の活躍が面白い。次作が楽しみです。
2018/07/27
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