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分水嶺 (祥伝社文庫)

分水嶺 (祥伝社文庫)

分水嶺 (祥伝社文庫)

作家
笹本稜平
出版社
祥伝社
発売日
2017-08-08
ISBN
9784396343415
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ジャンル

分水嶺 (祥伝社文庫) / 感想・レビュー

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じいじ

親子二代の山岳写真家に命を懸けた物語。人殺しの冤罪を背負ってまで、謎のオオカミを探し求める、壮絶な人間ドラマとしても面白かった。厳寒の北海道・大雪山の舞台も迫力が…。笹本さんの山岳小説は、筋立ての巧さに加えて、登場人物の設定、描写の妙にひかれます。仲の良い夫婦のたとえに「似たもの夫婦」という言葉があるが、本作の老夫婦は「どっしり構えた山みたいな夫と、先走って前へ前へ行こうとする妻」の似ないもの仲良し夫婦が出てきます。逆も真なりで、上手くいってる夫婦もあるようです。笹本小説をもっともっと読んでみたくなった。

2022/08/23

ふじさん

久しぶりの笹本稜平の山岳小説、期待を裏切らない面白さがある。急逝した父の遺志を継ぎ、山岳写真家ととして生きることを誓った風間健介。父と親交があり、絶滅したはずのニホンオオカミの存在を信じ、冤罪を乗り越え自分の人生を懸けてオオカミを探し求める田沢保。二人が主人公、お互いが心を通じ合い、一緒にオオカミを探すことになる。二人の語る、自然に対する強い思いが心に響いた。田沢に絡んだ犯罪がらみの展開で最後まで読めない展開でハラハラしたが、最後に二人の魂が奇跡を呼ぶことになる。

2021/08/08

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

「人生は奈落の上の綱渡り」のようなもの。亡くなった父の意志を継いで山岳写真家に転身した風間。冬の大雪山系で幻のエゾオオカミを捜し求める不思議な男田沢と出会う。雄大な大雪山系の大自然を描いた山岳小説としてだけでなく、過去の事件を巡るミステリーとしても楽しめる。人間はいつから驕り高ぶり自然をないがしろにするようになったのか。口下手だが純朴な田沢の言葉が心に突き刺さる。モルゲンロートに染まる石狩岳を一度見てみたくなった。★★★★

2017/09/08

のり

商業カメラマンとして栄光と挫折を経験し、山岳カメラマンとして再起を図る「風間健介」。父も山岳カメラマンだったが急逝し一緒に山に行くことはなかったが、冬の大雪山で父と親交のあった「田沢保」と出会う。彼自身は殺人罪で服役していた過去があったが、誰かに嵌められた感がある。過ぎた事だと気にしない様子で絶滅したはずのエゾオオカミを追う変わり者として見られていたが、風間は彼を信じた。人間のせいで行き場を失ったオオカミ。彼らは人間をどう見るのか?誇り高き山の勇者の佇まい。山での人間の無力がありありと描かれる。

2022/07/22

ポチ

冬の大雪山系でエゾオオカミを探す男と、父の意思を継ぎ山岳写真家になった男の、友情と熱い信頼関係がいい。そして自然そのもののようなオオカミは正に山の神の如くでした。

2018/08/19

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