一の悲劇 新装版(祥伝社文庫 の3-4)
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一の悲劇 新装版(祥伝社文庫 の3-4) / 感想・レビュー
花嵐
★★★★☆ 法月綸太郎シリーズ長編。間違い誘拐を発端として主人公の過去が複雑に絡まり合い事件は錯綜していく。今作では探偵役の法月綸太郎が語り部ではなく、あくまで主人公山倉史朗の視点で話が進んでいく。「頼子のために」の次の作品であるからかそれと似たところはあるのだが、結末はある意味では少し似ていて、またある意味では全く似ていない終幕を迎えた。主人公の過去の過ちは決して許されるものではないだろうが、それでもこんな終わり方にはなってほしくなかった。
2022/05/31
テンリュウ
素直に面白かった。パソコンもケータイもない(自動車電話はある)時代のミステリ作品。著者の初期の作品だけあって新鮮さがあり、退屈しない展開で話が進み、その話が二転三転して我々読者が「えっ」となる。「一」の部分の謎ときはいささか無理があるような気もするが、さて「二」の悲劇はいかがなものか、楽しみでもある。
2022/07/23
ナオ
面白かった!!有栖川有栖ブームが一段落ついて、書店で目についたのが本書。新装版とゆーことで、著者の付記までついててお得感有り。 半分位まで綸太郎が出て来なくて、もどかしくも、彼が出て来てから物語が大きく動き出し、二転三転する展開。そして明らかになる悲しい真実。ちょっと泣く。そして文庫の時に読んでた筈なのに、1ミリも覚えてない自分に震える。綸太郎より父上の法月警視が贔屓だったせい?絶対に違う(笑)でもいい。確実に「二の悲劇」も新鮮に読める筈。楽しい
2022/05/25
えりんぎ
読了。どことなく前作『頼子のために』を彷彿とさせる作品だった。令和の今読んでみると「携帯使えば…」「DNA鑑定でも…」と思うけど、それがないからこそ(精度が良くない)歯痒さと読者にとっては面白さが増している話だと思った。全てを読むとタイトルの意味が分かるのが良い。ありがちだけどミステリ好きはこういうタイトル回収に弱い。つい先日『密閉教室』を読み終えたが、やはり探偵・法月が出てきた方が私的には盛り上がる。次の作品も早く読みたい。
2024/03/01
なかむう
積み消化。前にドラマで見て原作が読みたいと思っていた。新装版が出たので購入したが、自分の中で法月ブームが下火になってしまったので積んでいた。設定が古いのだが、携帯電話が無かった時代を知っているのでさほど気にならず。結末も忘れているので、あっさり騙された。最後の展開に読む手が止まらなかった。あと、どうでもいい事かもしれないけど、新書版のあとがき・文庫版のあとがきだけでなく、新装版の付記までついているのが良い。また法月ブームが私の中で始まったので、次は「二の悲劇」。
2023/08/09
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