追いつめられて<新装版>(祥伝社文庫こ6-7) (祥伝社文庫 こ 6―7)
追いつめられて<新装版>(祥伝社文庫こ6-7) (祥伝社文庫 こ 6―7) / 感想・レビュー
ざるこ
6篇。30年前の作品の新装版。あとがきによるとご本人は内容をまったく覚えてなかったそう。何よりそこに一番驚く。相変わらず火サスの趣だけど全編ラストは後味の悪いものに。不倫の末衝動的に殺してしまった時や計画殺人に穴が生じた時の狼狽は呆れるほど滑稽。こんなはずじゃなかったと後悔しても後の祭り。ドロドロした悪意と状況に応じて変わる女の心理を描くのが上手い。「不倫の恋に舞い上がりながらも心の奥底は冷めており、いずれ自分が元に戻ることを予感している」共感して自身のあざとさに気付いたりする小池作品はほんと恐ろしい。
2023/02/01
ぐうぐう
1989年に刊行された短編集の文庫新装版。当時、小池真理子にとって4冊目の短編集だったようだ。その背景を知ると、なるほど確かに勢いがあるし、読者を驚かせてやろうとする企みに対する意気込みを強く感じる。とはいえ、どんでん返しに目を奪われてばかりでは、この短編集の良さは理解できないだろう。どんでん返しには必ず皮肉が込められ、ミステリのきっかけはどれも日常の中に不意に現れる落とし穴だったりする。そこには、小池のミステリに対峙する矜持が窺える。(つづく)
2022/10/17
carl
嫌ミス短編集 面白かった 帯にあるように「こんなはずではなかったのに」だらけ 各短編とも長編のあらすじだったら良いのになぁと思った。 長編での復活を期待してしまった。
2022/12/08
❧nao❧
30年前に書かれたものの新装版です。古さはあるけれど、人間30年程度たっても全然かわらないと痛感させられます。動機とか綻びとか。
2023/02/26
JKD
日常生活の中にあるちょっとした毒気により心理的にゾッさせられる短編6話。時代背景が昭和で、どの作品も心の奥底に悪意を持つ熟年男女が主人公という設定なのでリアルさも倍増。秀逸なイヤミス短編集を満喫できました。
2022/10/16
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