二の悲劇 新装版(の3-5) (祥伝社文庫 の 3-5)
二の悲劇 新装版(の3-5) (祥伝社文庫 の 3-5) / 感想・レビュー
さいと
「きみは~」と二人称で書かれる冒頭で、葛見百合子との出会いが書かれる。一方、同居する二人の女性の内、清原奈津美は顔を焼かれて殺害され、もう一人=葛見百合子が失踪する事件を探偵法月が捜査する。そして、きみは殺害されたのが百合子だと確信し……。と何かが違う状況を法月が推理しては新事実が判明し、仮説の構築と崩壊で読者も振り回される。このロジックを読ませる過程がとても面白い。一方で人間関係の構図に謎があるので、現実的な事件を扱っていても本格ミステリーになるという点も特徴であり魅力だと思う。
2023/02/23
花嵐
★★★☆☆ 法月綸太郎シリーズの長編ミステリ。物語に溺れた男女の恋愛の涯の話。悲劇には違いないがどこか滑稽なところも感じられるのは、探偵役の法月綸太郎が最後までその物語に振り回されているからか。悲劇の終わりは呆気なく訪れたが物語に終わりはない。
2022/11/11
しゅー
★この著者の作品は結構読んでいるほうだし、その創作姿勢や目指しているものは理解する。ただ、小説として楽しめるかと言われると厳しいんだよなぁ。ミステリとしてよくできていると思う作品もなかなか再読したいとは思わないことが多い。本作は特に相性が悪かったようで、なかなか作品世界にはいりこめめなかった。発表当初は二人称で呼びかける文体に新しさがあったのかもしれないけれど今となっては新味にかける。登場人物の日記も感情過多で読むのがつらい。著者自身があとがきで認めるとおり、ジェンダーに関する意識のアップデートも必要だ。
2023/01/28
テンリュウ
想像以上に面白かった。「一の悲劇」との関連は全くない。謎の人物である二宮、きみという二人称表記、翻弄される女性二人、そして明かされる○子の存在。法月探偵とともに騙されてみよう。
2023/02/23
やなせトモロヲ
★★★☆☆ 2○年ぶりに再読。ほとんど覚えてなかった。
2023/03/18
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