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まだ温かい鍋を抱いておやすみ

まだ温かい鍋を抱いておやすみ

まだ温かい鍋を抱いておやすみ

作家
彩瀬まる
出版社
祥伝社
発売日
2020-05-14
ISBN
9784396635855
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まだ温かい鍋を抱いておやすみ / 感想・レビュー

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ウッディ

動物は生きていくために食べ物を摂取しないといけないが、人は誰と何を食べたかによって辛さを紛らわせたり、幸せな気持ちになったり、栄養を取る以上の意味がある。そんな食べ物にまつわるザラっとした読後感を残す6編の短編集。悩みや生き辛さを抱えた人々は、一皿の料理に救われる、それはきっと料理をする人の思いや願いが込められているから、そしてその料理を食べた思い出はいつまでも心に刻まれる。死期の近い父の友人がかつて自分を励ますために作ってくれた大鍋のシチューの事を思い出す「大きな鍋の歌」が心にしみました。

2020/10/26

しんたろー

人生と食がテーマになった6つの短編。『ひと匙のはばたき』…ファンタジー要素ある温かい話で彩瀬さんらしい。『かなしい食べもの』…若い男女の関係が頷けるし、手作りパンに癒される。『ミックスミックスピザ』…主人公の不倫が女性らしい筆致で納得。『ポタージュスープの海を越えて』…育児に疲れる主人公の気持ちが手に取るように伝わる。『シュークリームタワーで待ち合わせ』…女性の友情が素敵に感じた。一番の収穫は『大きな鍋の歌』…中年男の悲哀を巧みに表現して更に腕を上げた印象。どれも単なる「食べ物小説」で終わらないのが流石。

2020/09/28

fwhd8325

味の種類は5味といって、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味で表現されます。子供の頃は、甘味やうま味ばかりを好んでいたようですが、年齢を重ねるごとに、塩味、酸味そして苦味にはまることは経験済みです。小説の世界も、口当たりのいい物語ばかりでは、どうにも物足りなくなることがあります。そうした意味では、この短編集は人生の機微が絶妙に生かされているバランスのいい料理といったところでしょうか。

2020/06/13

いつでも母さん

『ほろ苦く、心に染み入る極上の食べものがたり』食を通しての短編6話。そこは彩瀬まる!食がドーンとではないのに、存在してるのが巧いと思う。食は幸せなイメージがあるけれど、生きているんだものそれだけじゃないよね。だけど私の体は脳は食が司る。負の感情も細胞の隅々まで私は私を構築しているのだ。そこにピンポイントで響く本作はどれも良かった。本当に良かった。極上だ。

2020/06/03

のぶ

6つの短編が収められた作品集。それぞれの物語に関連性はないが、共通なのはどの話にも食が絡んでいるところ。最近料理にまつわる本を続けて読む機会があったが、本書は単においしそうだけでなく、登場人物が関連する人に病気や死、家庭の不和等に対する問題を抱えているところだった。ただ雰囲気に暗さや重さはなく、描かれている料理が、それぞれの問題を中和しているところだった。その時は辛くてもやがて時間が癒してくれる。そんな思いを彩瀬さんがうまく取り入れて、面白い作品に仕上げていた。どの話も最後は明るい光が射していた。

2020/06/23

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