寺山修司青春作品集 5 時には母のない子のように
寺山修司青春作品集 5 時には母のない子のように / 感想・レビュー
小魚小骨
さすが言葉の魔術師、わずかな単語で不思議な世界へ連れて行ってくれる。可愛らしくも物哀しさのあるメルヘン短編集で、泥臭い戯曲とは別世界のようで繋がりも感じる。少女の悲恋が多く、彼にとってそれが一つの詩の源なのかもと思ったり。鳥、空、海、星、といった汎用性の高い言葉が、寺山マジックで独特のイメージを喚起させる。白塗りで恐しく上演されることの多い戯曲も、もしかしたらメルヘン風に演出可能かもしれない。
2023/11/20
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