競馬への望郷 新装版
競馬への望郷 新装版 / 感想・レビュー
うさを
前の『旅路の果て』が面白かったから、寺山の競馬エッセイを探したが、新刊書店では見つからなかった。それで、図書館でこの本を借りた。読書メーターでは復刻版か角川文庫版しか出てこないが、図書館の本は1976年の新書館の初版だった。本書の「騎手伝記」でとりあげられた一人、福永洋一もまだあの落馬事故に遭っていない。そういう時代の息遣いが閉じ込められている気がした。「人生という名の競馬場には/次のレースをまちかまえている百万頭の/名もないハイセイコーの群れが/朝焼けの中で/追い切りをしている地響きが聞こえてくる」
2023/11/22
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