色悪作家と校正者の貞節 (ディアプラス文庫)
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色悪作家と校正者の貞節 (ディアプラス文庫) / 感想・レビュー
みやこ
黙って手を引いて道を指し示すことの方が楽な場合もある。だけど、大吾はそれをしない。正祐とまっすぐに向き合い、彼を一人の人間と尊重し、その意思を持って選んでほしいと。そう言える大人の男の余裕と懐の大きさがカッコいいわ。生まれて初めての恋情に翻弄される正祐は、理不尽を理不尽と知りつつ、ままならない感情に振り回される。文学に関しては対等に語り合える二人でも、恋愛に関してはまるで大人と子供。そんな二人が気持ちを添わせる過程と交わされる会話がとても心地よい。大吾だけを欲しがる理由を漸く悟った正祐。続編が楽しみ。→
2018/09/08
そらねこ
面白かった~♡今回は正祐が感情的にも恋愛的にも更に成長。この小説の感想は普通にBLの感想を書くよりちょっと難しい。独特なニュアンスや文芸作品を引用しながらの会話のテンポとか実に素敵なんだよね。全作を読んで今回弟が出てくるかな…と思ったんだけど、もっと弟みたいな当て馬が登場して楽しかったw そして弟君を絡めてのSSも更に楽しいw出てきた文芸作品をまた読み直してみたくなるw麻々原さんのイラストもイメージにピッタリで大好きな小説に。続きが出るといいな♡
2018/10/08
青龍
気になったシリーズなので読んでみようと思って、ついうっかり2巻目を買ってしまった。まあいいやと読み始めたけど、すみません、合いませんでした。ふたりの関係が出来上がっていることなど、途中から読んでいるからいいのですが、どうにも受けの性格がダメでした。真面目ないい人だとはわかるのですが、複数の男に思われる魅力が伝わらず、残念。山椒魚については、最後の文を削ったこと、私も疑問でした。高瀬舟の解釈は、私は違うけど。
2018/12/19
beniko
読み終わるのがもったいなさ過ぎて、わざとゆっくり読むくらいに大好きな世界を持った本。正祐のように恋愛経験のない人物はBLではよく見ますが、思いがそれまでの読書歴と結び付いて丁寧に語られる。丁寧と言っても言葉は多くはなく、少し足りないような感じがまた過不足のない表現にもなっていて、そこに本好きとしてたまらない空気を感じます。大吾と正祐は、言葉と、それまでの相手の歴史と思いを大事にしながら会話する。知識が膨大で詳細なので会話するだけで二人の世界を作ってしまう。低温に見えて、実は深くて熱い愛が詰まっていました。
2018/07/14
anko
自分の気持ちがなんなのかよく分からずにジレる正祐。嘘のつけない正直さから素直に気持ちを大吾に吐露するけどそれが盛大なる告白だとは気づいてない。そんな恋愛初心者の正祐が可愛い。大吾もそんなにも愛されているのかと内心嬉しかったのでは。2人の文学話しがとても楽しい。2人だけが深く理解しあって2人だけがわかりあってると言うのはまた良い。2人の文学話しを読むと菅野先生の造詣の深さもうかがえます。またあの掛け合いが読みたいです。正祐の弟のその後も気になります。
2018/10/15
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