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森に願いを

森に願いを

森に願いを

作家
乾ルカ
出版社
実業之日本社
発売日
2015-02-05
ISBN
9784408536590
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ジャンル

森に願いを / 感想・レビュー

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風眠

生きていれば、日常から逃げだしたくなる事がきっと誰にでもあって。そんな時ふらっと行ける避難場所があるのは、実はとても幸せな事なのかもしれない。苦しくて、辛くて、一人になりたくて、でも本当の一人にもなりきれなくて。そして、ふと気づく。街の中にぽかっとある森の存在に。いじめ、不治の病、人間関係のあれこれと、抱える事情は様々で。ひととき現実に背を向け森に入ってゆく人々。立ち止まる事は恥じゃない、迷う事も無駄じゃない。何百年という時を経た森を引き継ぎ、愛の形見を守り続ける森番と、人々の心模様を描いた連作短編集。

2015/03/04

takaC

根本的な解決にはなっていない話もいくつかあったような気もするのだが、いいのかな。 初出『月刊ジェイ・ノベル』:「色づく木 - 鏡の森」2013年3月号、「春めく木 - 我は地に伏し」2013年6月号、「雪待つ木 - インディアンサマー」2013年9月号、「病の木 - 夏の名残りのバラ」2013年12月号、「育ちゆく木 - 五十二歳の秘密基地」2014年3月号、「とらわれの木 - 揚げひばり」2014年6月号、「新たなる木 - 光差す場所」2013年9月号

2017/01/11

barabara

森番がいささか人となりが定まらず、女性の常識からするとやや風変わり、悪く言えば気味悪いと感じる箇所もあった。しかし皆何かしら困難を感じている人々が吸い寄せられるように人気がない森に魅せられ、やがて癒されありのままを受け入れるようになる心象風景はとても清々しくよい物語だった。完

2015/03/04

nico🐬波待ち中

街中に不意に広がる森。季節の花や巨木、小動物、あずまやが森を訪れる人達をひっそりと待っている。そしてテノールの声を持つ森番の彼も森を管理しながらいつも優しい佇まいで出迎えてくれる。森を訪れるのは不登校、就職難、病気、リストラ等人生に挫折した老若男女。悔しさや遣りきれなさの中でもがく彼らは、森に癒され森番に諭されることにより、笑顔を取り戻して再び各々の道を歩き始める。傷付いた人達に優しく寄り添う森番の彼の強さの訳に胸を締め付けられた。挫折を経験した人は優しさと強さを得る。私もこんな安らげる秘密基地がほしい。

2018/04/28

ベイマックス

7つの短編集。森を訪れる人は変わるが、森番の青年は同じ。最後の短編は、森番の引継ぎ。森を訪れる人に多少人としての難があるけど、苦しんだり悲しんで森に逃げ込み癒されていく。面白いお話しでした。

2023/03/06

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